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「ー杉田の熱力学ー新版 熱力学新講」ついに出版!:たぶん世界初の「不可逆変化の熱力学」の教科書!   

みなさん、こんにちは。

このところカツサンドの祟りで調子を崩し、なんとか回復することばかりに躍起になっていたからうっかりしていたが、実はこの1年でずっとコツコツと作り続けて来た杉田元宜先生の第二段の本「熱力学新講」の復刻版が完成し、この7月7日に無事出版となった。

むろん、私の遠大なる科学の構想や計画に手をさしのべる大手出版社はなく、相変わらずのオンデマンド出版社の太陽書房からだが、何事も

一創造百盗作

最初の1つが大事である。あとはそれをコピーすればすむだけだから後の人たちは楽になる。

とまあ、そう信じていつも作っているわけですナ。以下のものである。

Amazon:熱力学新講 ‐杉田の熱力学‐
太陽書房新版 熱力学新講 ‐ 杉田の熱力学 ‐
私としては、太陽書房経由で注文して頂けるとありがたい。本を注文して本の現物が届いてから郵便振込するというやり方である。)

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(写真は、東京帝大物理を卒業した直後の29歳の頃の杉田博士)

杉田元宜(すぎた・もとよし、1905年8月熊本県八代町生まれ)は東京帝大出身の理論物理学者である。戦前・戦中において熱力学および分子統計力学の研究を行った。特に不可逆変化の熱力学の定式化に関しては、西洋のオンサーガーやプリゴジンなどとは別に独自の研究を行っていた。その成果は『杉田の熱力学』と呼ばれた。

戦争末期以降、杉田は自らの熱力学を生物へ応用する分野に注目し、生命科学の理論的研究に従事する。戦後、日本生物物理学会の発足にあたり、その重要な役を担い、我が国の生物物理研究の国際化に寄与した。晩年はウィーナーのサイバネティックスおよびバイオニクスに集中し、多くの研究論文や著書を公表した。そうした論文の一つはカウフマンの『秩序の起源』にも引用されたが、残念ながら多くの論文が小林理研や一橋大学の論文集に日本語で公表されたため、国内外での知名度が失われる結果となった。しかし、世の流れに70年先んじたその重要性は近年急速に見直されつつある。

本書は、『不可逆変化の熱力学』に関する国内初の教科書である。

目次
第1章 物体の状態
1.1 平衡状態
1.2 状態変数
1.3 物体系の熱平衡
1.4 準静的変化
1.5 完全気体の状態方程式
1.6 気体の分子運動
1.7 Joule の実験およびJoule-Thomson 効果
1.8 実在気体の状態方程式
1.9 完全気体への補正
1.10 状態方程式一般
1 1.11 状態量の変化, 全微分

第2章 熱力学第一法則
2.1 熱の本質
2.2 気体の比熱
2.3 熱と内部エネルギー
2.4 完全気体と熱力学の第一法則
2.5 熱物質観と歴史
2.6 完全気体の比熱
2.7 完全気体のエントロピー
2.8 一般の状態変化
2.9 Carnot のサイクル
2.10 熱機関の歴史と発達
2.11 ポリトロピック変化(Polytropic Change)※
2.12 任意の状態変化および永久運動
2.13 数学的関係および分子論的解釈※

第3章 熱力学第二法則
3.1 Carnot の原理と第二種永久運動
3.2 熱力学の第二法則
3.3 気体の熱力学
3.4 van der Waals の式に従う気体
3.5 熱力学的温度の決め方
3.6 エントロピーの別の導き方※
3.7 熱力学的関係式.
3.8 Clausius の積分※
3.9 一般の物体系の熱力学※
3.10 弾性体の熱力学※
3.11 弾性体の断熱伸張※

第4章 不可逆変化
4.1 不可逆変化とエントロピー
4.2 摩擦および不可逆変化の取り扱い
4.3 有効エネルギーの損失※
4.4 一般の不可逆サイクルと換算熱量
4.5 熱電気の現象
4.6 Joule–Thomson 効果
4.7 圧縮性流体の運動
4.8 Bernoulliの式の一般化(摩擦のない場合)※
4.9 摩擦のある場合※

第5章 状態の変化, 蒸発
5.1 二相平衡
5.2 蒸発
5.3 等圧加圧
5.4 飽和蒸気の性質
5.5 臨界点
5.6 表面張力
5.7 曲面の蒸気圧と過飽和の現象
5.8 沸騰
5.9 混合気体
5.10 拡散および浸透, 混合気体のエントロピー
5.11 希薄溶液の性質
5.12 二相平衡の条件, 沸点上昇および氷点降下
5.13 化学的に均質でない物体系, 第一法則
5.14 第二法則の応用, 質量作用の法則, 親和力
5.15 親和力, Nernst の原理
5.16 平衡条件と熱力学的関数
5.17 相律(Phase Rule)

付録A 数学的取り扱いに関する注意
A.1 関数関係と近似式
A.2 微小変化の取り扱い
A.3 微分係数
A.4 極大および極小
A.5 二つの変数の関数
A.6 全微分
A.7 完全微分および線積分
A.8 陰関数の微分
A.9 変化の経路を考えた時の微分
A.10 変数の変換
A.11 Taylor の級数および同次関数, 極大・極小
A.12 微分方程式
A.13 状態方程式に関する注意

付録B 単位に関する注意
B.1 熱力学における単位
B.2 完全気体の状態方程式と熱力学の法則
B.3 熱力学における重要関係式
B.4 完全気体に関するもの
B.5 van der Waals の式に従う気体
B.6 蒸発に関するもの

付録C 補註

索引

さて、この杉田元宜先生がこの本を執筆なされたのは、戦時中の
1942年昭和17年10月25日
のことである。初版2000部。定価3円50銭。

次の改訂版が出たのが、終戦後の
1948年昭和23年10月10日
のことである。たぶん改訂版も2000部。定価250円。

つまり、初版から数えて
75年目
の2017年、ついに現代語訳として復活で来たのである。オンデマンドで定価3500円とした。


この杉田先生の熱力学の教科書の何が特徴かというと、現代的な統計力学とはまったく違い、まったく数学に重きが置かれていないということにある。

数式よりは物理の内容が大事だという一貫した立場がとられている。

だから、数式は高校の微積分レベルのものにすぎない。

にもかかわらず、考え方は非常に重厚で、練れている。


中でもなぜ私がわざわざこの古い熱力学の教科書を1年以上もかけて復刻する気になったのか?

といえば、それは

この本が日本初、たぶん世界初の、不可逆過程の熱力学に関する一章を入れた熱力学の教科書だったからである。

我々戦後の物理学者は、不可逆過程の熱力学は、かの1977年ノーベル化学賞を受賞したイリヤ・プリゴジンの散逸構造の教科書や現代熱力学が最初だと信じ込まされて来た。

しかしそれは嘘だった。

実は、戦時中に我国の杉田元宜博士が世界初だったのである。

その一章が上の目次にある第四章である。

ここに杉田先生の真骨頂があり、これが戦前戦中、
「杉田の熱力学」
と呼ばれた考え方が披露されているのである。

これは、「仮想熱源」という概念である。

ところで、初版が刷り上がってくると、この「仮想熱源」が「仮装熱源」となっていたようだ。見つけたら仮想に直していただきたい。この点はお許しを。

何ぶん近眼のため、また元の本のコピーが実に解像度が悪く、旧漢字体の解読にも難儀を努めたせいもあり、さらにはいわゆる編集者は私がやっているから、知人友人に細かい所や細かい部分のCheckをしてもらえるわけでもなく、全部私たった一人でやっているので、どうしても気付かないままという面は避け難いからである。

もし不備を見つけた人がいたら、出版社か私に手紙で知らせて欲しい。そうすれば次の刷では改善できるだろう。


さて、この仮想熱源とはどういう考え方か?

むろん、これは現代の我国および世界のどの教科書にも書かれていない考え方である。が、これは、以下のようなアイデアである。

例えば、気体の等温過程という,温度一定のまま熱膨張する場合を考えてみよう。

一見当たり前とも見えるが、気体を膨張させるには、もし熱が外部から入らなれば、膨張できない。さもなくば、むりやり膨張させると断熱膨張となって、温度が下がってしまう。

ところが、温度一定にして一見に何も変化していないようでいて、気体が膨張できるためには、膨張した分の温度低下を補うように、どこかから熱が自然に入って来るのだと考えることができる。さもなくば、温度を一定に保持できない。

このように温度一定のまま見事に気体が膨張できるという場合が理想気体の好都合の場合なのだが、実際にはピストンとシリンダーには摩擦があったり、さまざまな原因による熱の散逸も起こる。

こういう摩擦のある現実的なシステムの場合に、摩擦熱が出て、それがシリンダーを熱くし、その結果再びそれが内部の作業物質である気体を温めてしまう。

こういう熱を「仮想熱源」と考えるのである。

この摩擦のある不可逆変化の熱力学を見事に説明したのが、この第四章である。


さて、杉田先生は、この不可逆変化の熱力学の考え方を元にして、後にそれを統計力学、すなわち分子統計論に拡張していくのである。それが、

「熱力学および分子統計論」(南江堂,1957年)

という教科書である。

今後私はこの本を復刻したいと考えて、いまから少しずつLaTeX2eで書き込もうとしているところというわけだ。


昔は良かった。
昔の人は偉かった。

まさにそんな感じのする今日この頃なのである。


ところで、書き忘れるところだったが、この杉田先生は、一時期「帝国海軍機関学校」の講師をされていた。

この「海軍機関学校」といえば、アメリカの海軍アカデミーのような機関のことである。戦前の日本の海軍アカデミーといえば、かの司馬遼太郎の「坂の上の雲」の秋山真之兄弟のいた場所である。

「司馬史観」以上の「ねず史観」1:戦後日本は「しょうゆ組」に乗っ取られたらしい!
海軍大学
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したがって、こういうところで、熱力学を教えていたはずなのである。

戦艦長門、戦艦大和、戦艦武蔵、

こういった我国の世界史に残る戦艦の機関士や指揮官たちが、ひょっとしたら杉田先生に熱力学を教えてもらっていたのかもしれないというわけだ。

このあたりは調べたいが、何ぶん資料が無く、本当のところはわからず、推測の域を出ない。

そもそも熱力学は、実学中の実学である。熱力学の豊富な知識無しに、戦艦は動かせない。

しかし、いまでは熱力学は虚学の中の虚学のようになってしまった。

公理論的熱力学

なんていう数学なのか物理なのかも分からないような熱力学も主流派と見なされる時代である。

絵に描いた餅と実際に杵で餅つきをしてできた餅とでは大分質が違うのである。

餅を語るとすれば、やはり物理学者は、実際の餅つきでできた餅を論じたいものである。

ところが、現実には、その差が曖昧となり、絵に描いた餅やら、マンガの餅を論じても何ら変だとは感じない時代になってしまったというわけだ。


いやはや、世も末ですナ。



おまけ:
Amazonはたったの2冊売れただけでこれだ。
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一種の営業妨害か、これは?




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by kikidoblog2 | 2017-07-12 08:52 | ブログ主より

ブラジルのリオのカーニバル開幕!:いや〜うっかり忘れていたヨ!   

みなさん、こんにちは。

北朝鮮のどうでもいいことをメモしている内にすっかりブラジルのリオのカーニバルが開幕していたことを忘れていた。早速メモしておこう。

トップチームが華麗な踊り リオのカーニバル最高潮
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OFFICIAL RESULTS RIO DE JANEIRO 2017 QUEEN OF CARNIVAL: STUNNING BEAUTY AND SAMBA


SAMBA OFFICIAL VIDEO RIO Carnival 2017 | Brazil RIO Carnival 2017 DANCE COMPETITION WINNERS .


Musa do Carnaval Rio de Janeiro 2017 - Caldeirão do Huck 25/02/2017


Carnaval Rio 2017 - Desfile de Gavioes da Fiel | 1er Dia | Choquillo TM


SAMBA | Carnaval Rio de Janeiro 2017 - 2do Dia | Brasil | Choquillo TM


いまや浅草のサンバもかなりのレベルになってきているらいが、やはりリオのカーニバルはオリジナル。

サッカーが強い国にはサッカーを彷彿させるリズムとステップの踊りがある。

サンバのリズムはやはりラモスやカズを生み出した。

セルビアにはまたセルビア独特の民族ダンスがあるらしい。そういうものが、ストイコビッチのようなセルビアのサッカーを生み出すのだろう。

海外「日本が隣国なら良かったのに」 日本の学生が踊る民族舞踊にセルビア人が大感激

Kad Japanci povedu kolo



リオのカーニバルに乾杯!



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by kikidoblog2 | 2017-02-27 21:43 | ブログ主より

あけましておめでとうございます:今年は「古豪復活再生の年」の予感あり!   

この酉は金鶏、赤色野鶏どっち?
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みなさん、こんにちは。

謹賀新年。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

今年は酉年。私の干支です。

ニューイヤー駅伝は旭化成、天皇杯サッカーは鹿島アントラーズが優勝で幕を開けた2017年。

旭化成は双子ランナー宗兄弟などの時代の古豪、アントラーズはJリーグ創設時期からのジーコ、アルシンド、サントス、ビスマルク、レオナルド、ジョルジーニョなど、ワールカップ常連のブラジル人サッカー選手たちが生み出した古豪チーム。

昨年のクラブワールカップはそういう意味では、南米ブラジルサッカーvs欧州スペインサッカーの戦いだったとも言えます。

そんなわけで、今年はおそらく我が国は古豪復活の年となる予感がします。

復活、再生、回帰あるのみです。

この意味では、今年は回帰の時、日本人が日本を取り戻す年、アメリカが古き良きアメリカを取り戻す時、欧州が古き良きキリスト教の国々を取り戻す時、そういう年になるのではないでしょうか?

とまあ、こういうものが私の予感であります。
もちろん、私自身研究執筆において何らかの復活をしたいと考えています。

私個人に関して言えば、私はアメリカユタ大時代に博士論文として研究したテーマに関する物理学や数学に関するテーマの教科書をいつの日か書こうとこの20数年の間思ってきましたが、今年がその時だろうと思っています。

ところで、今年は鶏の年でもありますが、この鶏の進化系譜研究を地道にされた方こそ、
天皇家の秋篠宮
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であられるということはあまり一般には知られていないようです。参考までにメモしておきましょう。以下のものです。
鶏と人―民族生物学の視点から
秋篠宮 文仁 (著)
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DNAでみた鳥の世界 — 分類から文化史まで
鶏の系統と文化:秋篠宮文仁


鶏の系統樹
ミトコンドリアDNAの解析により明らかになった鶏の系統樹。インドネシアの家鶏(緑色で表記)、およびチャボやレグホーンなどの家鶏(青色)は、いずれもタイに生息している赤色野鶏(ガルス亜種とスパディケウス亜種、赤色)に近いことがわかる。つまり、現在人間に飼われている家禽化された鶏の祖先は、これらの赤色野鶏の仲間だという可能性が示された。インドネシアにも赤色野鶏(ガルス亜種とバンキヴァ亜種、ピンク色)はいるが、系統樹では上記の鶏たちとは別のところにあり、祖先とはならなかったと考えられる。
(Akishinonomiya, F. et al. Pro. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, p6795の図を改変)
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分子生物学でノーベル賞の呼び声の高かった故大野乾(すすむ)博士のご指導の下共同研究者として長年秋篠宮がタイなどへ研究に出かけて完成されたもののようです。

鶏のご先祖様はタイの
金鶏(キンケイ)
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の一種、
赤色野鶏(セキショクヤケイ)
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という品種であるということです。

さて一方、同じ酉で一見金鶏かもと思うような鳥で、
金鵄(キンシ)
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という鳥もいます。神武天皇由来の金鵄。金色の鳶(とび)。
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金鶏、赤色野鶏、金鵄。

いずれも黄金に輝く酉。はたしてどの酉の年になるのでしょうか?

古豪復活、古豪が黄金に輝く年になるように思います。


皆さんにとって素晴らしい一年になることを祈念いたします。




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by kikidoblog2 | 2017-01-02 14:22 | ブログ主より

今年もありがとうございました:みなさん、良いお年を!   

みなさん、こんにちは。

今日は大晦日の12月31日。今年もいろいろのことが起き過ぎました。が、なんとか年末を迎えることができました。

今年は私個人にとっては何と言っても故杉田元宜博士のことを知ったことでしょう。杉田博士が遺された膨大な研究論文や著作を読むことで大半の時間が費やされてしまいましたが、そしてまだその全部には目を通せませんが、いちばん大事な部分に関する思想をなんとか理解できたことが非常に大きな進展になったと思います。

杉田の熱力学の思想圏はすでに遠い過去の遺物化していたわけですが、それを現代的にやり直すことに本当の進歩があると私は睨んだわけです。

その杉田の熱力学思想は大半が一橋大学という文系の大学内の機関誌に公表され、あるいは、戦前の小林理学研究所の機関誌に公表されたために、戦後の我々の目に触れる機会がまったくなくなっていたのですが、そういう杉田博士の理論の真髄をなんとか日本の若い世代および海外の英語圏の人たちに紹介することができればいつしかそれを読んだ者の中から、さらなる進展を導くものが出てくるはずではなかろうか考え、そういう願いを込めて英解説論文を書くことができました。

この初夏の6月には日々海に出向いて太平洋を眺めながら、杉田博士の戦前および終戦直後の論文を勉強して、実に有意義な日々を送ることができました。が、それにはそういう論文や著作を快く私に送ってくれた人があったからこそできたわけで、ここに心からの感謝を差し上げたいと思います。名前は書きませんが、どうもありがとうございました。

果たして来年はどんな年になるでしょうか?

私自身は何年か前から物理学は再び革命前夜にあると考えてきていますが、既存のいわゆる標準理論を打ち破る新時代の新理論が登場する日が訪れるでしょうか?

それはまさに
神のみぞ知る
でしょう。

みなさんの健康とご多幸を祝して

みなさん、良いお年を!



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by kikidoblog2 | 2016-12-31 17:08 | ブログ主より

突然のブログスキン変更のお知らせ:ブログスキンコレクションから俺のが消えた!?   

みなさん、こんにちは。

いや〜昨日このブログを見ているとある時から突然ブログスキンがまったく違っていたから驚いた。どうやら、ブログの運営会社のスキンの中から私が使っていたブログスキンがなくなったようである。

そこで、急遽良さそうなものを探したのだが、私のこれまでのものに一番近いものはないようなので、一時的に今回のものを使用しておくことにする。

というわけで、突然のスキン変更を行う羽目になったわけである。

したがって、今後また突然ブログスキン変更を行う可能性もあるので、ご容赦を。




いやはや、世も末ですナ。


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by kikidoblog2 | 2016-12-07 09:09 | ブログ主より

ついにネルソンの本「ブラウン運動の動力学理論」が重版になった!   

みなさん、こんにちは。

さて、今年の3月に私はやっとのことでアメリカのユニークな数学者、エドワード・ネルソン博士の本の日本語訳を太陽書房から出版したことをメモしていた。

ついにネルソンの本が日本語になった!:「ブラウン運動の動力学理論」


この中で私が大学4年の卒業研究で「ブラウン運動の理論」を学んだこと、阪大基礎工の大学院に行ってその量子力学版を研究したかったができなかったこと、その後35年経ってやっと保江邦夫博士と知り合うようになって再びネルソンの論文を研究するようになったこと、などをメモしていた。

それが「ネルソンー保江ーザンブリニの確率量子化の理論」と呼ばれるものである。

言い換えれば、「量子力学の定式化における第三の方法」のことである。

この方法は最初に古典的なブラウン運動をとるために、別に量子にだけ限られることがない。流体力学、電磁気学、原子核理論、熱力学、統計力学とあらゆる分野、つまり、確率的取り扱いが必要になるあらゆる理論の基礎となるものなのである。

そういう意味で非常にジェネラル(一般的)な理論である。

ぜひ若い人たちは真面目に勉強して欲しいと思う。

幸いなことにこの1刷目が完売したということで、この度第2刷が作られたようである。そこで一応メモしておこう。
太陽書房

ブラウン運動の動力学理論
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ところで、アマゾンと太陽書房とで注文するとどこが違うか?というと、太陽書房で注文すれば、私に印税8%が入るが、アマゾン経由だと4%になってしまうということである。弱小個人零細出版社だから、大手のようには行かないのだろう。

同様に、1刷りと言っても、ヒカルランドのように初版数千部というようなわけには行かず、せいぜい20部程度である。というのも、今時純粋科学や数学や理論物理の本を初版2000部で出版する気合のある出版社はない。

出版不況の一番の原因は、ブックオフのような中古店、そしてそのインターネット化したアマゾンのようなシステムが出来たことにある。

なぜなら、これまでは読む読まないにかかわらず、本を買って手元に置かない限り本というものは手に入らなかった。また読まない本でも手元においておかなくてはならなかった。大学卒業時にはゴミとして廃棄処分したのである。

ところが、アマゾンやブックオフができれば、中古品として使いまわしできるわけだから、いつも手元においておきたいという必需品扱いする専門家を除き、学生や一般読者など一度読めばいいというタイプの人たちには、古本で売れる場があればその方が好都合、また同じタイプの人間の読者の方も中古で十分ということになるからである。

そうなると、初版2000部のうちいつも手元においておきたい人は、大学図書館とか特別な個人のせいぜい1000部程度となり、残りの1000部がアマゾン経由であっちこっちへ2重3重。。。に取引されてつかいまわされるわけである。こうなると、これまでその使いまわされる分が新刊本の取引とされるはずのものが不必要になるというわけである。

さらにそこへ来て、電子化路線で初版のpdf版ができれば、本の内容しか興味のない人間は電子書籍で十分ということになり、今度はアマゾン経由、あるいは、さまざまな大学経由でpdf版を読めばいいということになり、ますますもって書籍離れが進むのである。

かつて生物学者の大野乾(すすむ)博士が言った「一創造百盗作」という概念の「一創造」があれば、それがpdf化されて、あとは「百盗作」の部分で本の出版になるはずが、そこがすべてダウンロードで終わってしまうわけである。

こうなれば、ますますもって書籍が作られに難くなる。

というわけで、紙の出版物の不況がさらに進むというわけだろう。

しかしながら、本を「一創造」する方の立場からすれば、その「一創造」で多少の生活費や実費を賄う分の利益が得られなければ、生活できないわけだから、次の「一創造」まで生き延びられないことになる。

ここにインターネットの利便が「一創造」する著者の生活を危ぶませ、その結果「一創造」できないというジレンマや悪循環に陥るわけである。「一創造」する側がある程度それによって豊かにならなければ、個人として素晴らしい創作や素晴らしい研究に挑戦しようとする人間が出なくなるわけである。

いい翻訳したらそれなりに1年ぐらいは生活できるとか、こういう感じでないと、次の著作に集中する機会もなくなるのである。

だから、結局、利用する側だけの利便でできたインターネット・システムでは、利用させる側や作る方の利便がむしろ減るのである。結果、出版社や著者の数が減り、結局、同じ本のコピーだけが流通するという結果に陥るわけですナ。

アマゾンなんかは、結局自分が扱う本の売買の手数料だけとって儲けるというつもりが、結局本の著者がいなくなるわけだから、最終的にはアマゾンも必要なくなるわけだ。だから、アマゾンが維持したければ、アマゾンは新しい本の著者や本の翻訳者や出版社などに対して、むしろ助成金を与えるくらいのことをしなければ、結局新しい本ができないわけだから、既存の本の売り回しだけで終わってしまうわけである。

とまあ、そういうわけで出版界の未来はこのままでは100%デッド・エンドに向かうのである。


まあ、我々理論物理学の世界では、読むべき人だけが読んでくれたらそれで結構なわけだが、これでは出版社も厳しくなるわけですナ。


おっといけね〜〜、忘れるところだったが、ところで、アマゾンのこの本のレビューのところにかなり的外れの感想を書いている馬鹿者がいたが、この本はネルソン博士のプリンストン大学における講演講義が基になっている。いまならYouTube番組になるようなものである。だから、すべて会話でできている。だから、翻訳においては、ネルソン博士が黒板を背に数学を講義している雰囲気が出るように出来る限り努力して翻訳したものである。だから、”わざと”意識的に口語体で翻訳したのである。できるかぎり平明な文章で、話し言葉風に書いているのである。これを普通の表現とは違うってか?アホちゃうか?

ちなみに、初版でまだいくつかミスタイプなど誤字脱字等が散見されたが、そういうものはできるかぎり取り除いている。


いやはや、世も末ですナ。


おまけ:
オンサーガーの翻訳本も、第二版はすでに出版社へは送っている。これにはオンサーガーのイジング模型の章を付け加えたり、あとがきで保江先生のオンサーガー理論の導出法の解説を加えたりしている。が、こっちの方はまだ初版がたくさん残っているようなので、すでに出来ている第二版の出版にまでは至っていない。ペンディング状態である。

おまけ2:
ところで、科学研究において科学論文を公表する場合のことを考えてみよう。おそらくダマスゴミのテレビニュースだけを見て暮らしている普通の人は、科学の研究論文を科学雑誌、例えばネーチャーなどに論文を掲載する場合、ただでできると思っているのではないだろうか?むろん、掲載料をとる。新聞の広告料と同じ扱いである。大学や研究所にいる人間にとっては自分の研究が有名雑誌に載ることは名誉である。というわけで、掲載料をとる。「STAP細胞あります〜」の小保方晴子さんの場合でもネーチャーに嘘論文をたくさん出したが、ネーチャーなどの商業誌の場合には、1頁の掲載料は10万円くらいかかるはずである。普通の論文は4ページだから、最低でも40万円はかかるのである。だからネーチャーに載せるには大企業や大研究所や有名大学などふんだんに研究費のある山中教授のようなところでないと出せないのである。我々ベンチャー科学者やフリーの科学者にとっては日頃からお金を貯めて根性据えて投稿するほかないのである。むろん、一流雑誌でも自分で全部LaTexを使ってタイプセットし、pdfを掲載できる形に編集できれば、掲載料がただ、ないしは安いという研究雑誌もあるし、払えないなら払わなくても良いというリッチな友好的な出版社もある。たとえば、アメリカのPhysics Review Lettersなどがそういうものである。しかしながら、そういう出版社は今度読む方に負担がかかる。たった数ページから20頁程度の論文1本のために30US$を支払わなければ読めないのである。その論文が間違っていたとしても読むのに1人30ドルもとるわけだ。いったい小保方晴子さんの嘘論文を読むためにどれだけの負担を読者にさせたのだろうか?まあネーチャーは著者からも読者からも金とって儲かれば良いわけだから笑いが止まらない。論文の真偽などどうでも良いのだ。高額の掲載料をとるか、高額のダウンロード料をとるかのいずれかなのである。アメリカ人研究者の中でもこういう風潮が嫌になって有名雑誌にはもう論文を出さないという研究者も出てきている。自分で出版したほうが良いという意見である。その典型が、ロシアの大数学者ペレルマンだった。ペレルマンは自分の最先端の理論をアメリカの無料ダウンロードサイトにこっそり乗せただけだった。ペレルマンの名前を見てびっくりして読んだ研究者たちがその内容を勉強して、これが150年解けなかったポアンカレ予想の解だと知ったのである。そしてフィールズ賞を受賞したが、ペレルマンはそれを無視した。というように、今の現実は出版界だけではなく、科学界においても非常にまずい時代なのである。






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by kikidoblog2 | 2016-11-08 10:45 | ブログ主より

一種の業務連絡:拙著を買う場合は出版社経由でよろしくネ!   

みなさん、こんにちは。

さて、ここでは私の本は一応紹介のために掲示しているが、ほとんどが専門的な本であるために買うことをオススメしてはいない。にもかかわらず、このブログを見ることのできるお礼としてそんな本から1冊をお買いになってくれるありがたい読者の方々もいるようだ。

そこで、最近、太陽書房から
アマゾン経由の場合は印税を半分にする
と連絡が来た。

というわけで、もし私に献金する気持ちで拙著をお買いになる人がいるとすれば、ぜひアマゾン経由ではなく、当の出版社経由でお求めいただくようにお願いしたい。

アマゾン経由だと、出版社も著作者もあまり儲からないらしいですナ。

ではよろしくお願いいたします。一応のご連絡にて。



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by kikidoblog2 | 2016-09-23 10:49 | ブログ主より

「杉田元宜博士のご家族は何処に?」:「杉田の熱力学」は復刻可能か否か?   

過ぎたるは猶及ばざるが如し
【読み】すぎたるはなおおよばざるがごとし
【意味】過ぎたるは猶及ばざるが如しとは、度が過ぎることは、足りないことと同じくらい良くないということ。


みなさん、こんにちは。

最近は、不可逆過程の熱力学の論文を仕上げる段階になっていたのだが、知人同僚の山田弘明博士から、それなら故一柳正和博士の
不可逆過程の物理不:日本の統計物理学史から
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(1999年日本評論社)
っていう本がありますよ、と教えてもらって、その本を買って勉強したのだが、その中で「杉田の熱力学」という一節や言葉があった。それで初めて杉田元宜博士の名前を知ったのであった。
「杉田」の発見!:謎の天才理論物理学者「杉田元宜」博士の写真はどこだ?

そして、一柳博士の本に紹介されている昔の物理学者の論文を一つ一つ調べて行ったのだ。

昔の日本には、数学と物理学の学会は1つだった。それが「日本数学会社」に端を発した「日本数学物理学会社」(通称「数物学会」、昔は「会社」とは学会にも使われたようだ)で始まった。これが明治時代に我が国で初めて誕生した物理や数学の科学学会である。

それが太平洋戦争後にあまりに物理と数学が細分化し話が合わなくなってきたために分裂独立して、数学会と物理学会とに分かれたのである。ここに日本物理学会が誕生した。(正史はここにある。)

最初は数学会社が数学中心で会誌や論文誌を作っていた。徐々に物理学が発展すると、数学と物理学が並列されるようになり、数学物理学会誌になった。その雑誌には数学理論も物理理論も同時に掲載されたのである。戦後になり、その日本物理学会ができると、それもまた分離した。さらに、物理学は素粒子論と物性論の2つに大きく分かれ、前者は「素粒子論研究」、後者は「物性理論研究」という雑誌を運営するようになった。

これらの雑誌は1996年に我が国初めてインターネットが登場した頃、つまり私がここ阿南に引っ越して来た頃にはネット上でも読むことが出来なかった。だから、当時から10数年の間はかなり大きな旧帝大クラスの大学に行かなければ、「物性論研究」など読むことが出来なかったのでる。

ところが、ここで最初の一柳博士の本の話に戻るが、最近の今では、1940年代から終焉まで全部インターネットで読むこともフリーダウンロードもできたのである。
「物性研究」冊子版


これ幸いと私は一柳本で紹介されている物性論研究に日本語で公表された、杉田博士の論文や他の研究者の論文を集めて読んでいったわけだ。

そうすると、だいたい次のようなストーリーだったことが分かった。

不可逆過程の物理は1931年のオンサーガーの相反性理論を始めに開花した。むろんオンサーガーは2次元イジングモデルの厳密解ではなく、相反定理でノーベル賞を受賞した。その後1970年代になり、ベルギーのユダヤ人でイリヤ・プリゴジンの「エントロピー生成最小原理」でかなり発展し、そこからプリゴジンの「散逸構造の理論」というやつで一世風靡し、ノーベル賞を取った。

とまあ、これが西洋人の知る正史だった。我が国でも普通の科学者はそういうふうにしか理解していなかった。むろん私もである。

ところが、我が国の杉田元宜博士はその学位論文(博士論文)が「過渡的現象の熱力学」というタイトルのもので、これは本として昭和25年1950年に岩波書店から出版されていた。

問題はそのタイトルが「過渡的現象の熱力学」とあったことだった。これがかなり誤解を後世の我々に与えたに違いない。

今の我々の時代で「過渡的現象」というと、外力が瞬時に加わって消える。そういう場合にある物理系がどう応答するか?そういう問題を想起してしまうのだ。つまり、応答理論の一種だろうと考える。

ところが、杉田博士の時代戦前の日本では、「過渡的現象」という意味はほぼ100%「不可逆過程」あるいは「非可逆過程」という意味で使われたのだった。要するに、オンサーガーの「不可逆過程」の意味で「過渡的現象」と使っていたのである。ある物理系が変化しそれが平衡状態にまで戻る。この過程(プロセス)を杉田博士は「過渡的現象」と呼んだのである。

それもそのはずで、実際には「過渡的現象」の一部に「不可逆過程」が入るからである。過渡的現象の方が不可逆過程より広い概念なのである。

というわけで、杉田元宜博士は1930年代から、つまり、オンサーガーの最初の論文が出た直後から、不可逆過程の熱力学の問題を研究していたのである。そして、1949年にプリゴジンが処女論文を出す前に「過渡的現象の熱力学」=「不可逆過程の熱力学」を完成していたのである。それをトムソン(=ケルビン卿)の熱電対の理論に応用したり、粒子拡散や熱伝導の問題に応用していたのである。

そればかりか、不可逆過程の熱力学のその理論的枠組に、当時完成したばかりの古典統計力学のメイヤー(Mayer)のクラスター展開の理論やその過冷却現象への応用版であるベッカー=デーリング(Becker=Doering)理論やフレンケル理論を利用して、いまでいう「ニュークリエーション」(液化)現象の理論の本質を見抜き、なんとそれを「生命発生の基礎理論」とできるのだという思想を生み出していたのである。

(ちなみに、この戦前は世界最高の物理学はドイツの雑誌だった。戦後、イギリスとアメリカが主流になったが、かのファインマンの時代がアメリカ生まれの初のノーベル賞であった。だから我が国も戦前は科学はドイツ語が主流だった。だからいまも医者はカルテとドイツ語を使っている。)

私はもちろんオンサーガーの不可逆過程の論文全部翻訳したから全部読んでいる。さらにずっと前にプリゴジンの研究のほぼ全部を読んでいるから、杉田博士の理論がどういう意義を持つかも分かる。

オンサーガーとほぼ同時代、プリゴジンよりずっと前に、いまでいうところのプリゴジンの「散逸構造理論」とほぼ同じものを、いや実際にはそれ以上のものをまったく1人で独立に生み出していたのである。

なぜなら、プリゴジンは散逸構造理論の応用として、単に化学反応系のザボチンスキー反応のようなものだけを中心に行ったにすぎないが、この杉田に至っては、そんな陳腐なレベルではなく、生体のホメオスタティスを生み出すネットワーク熱力学の思想まで研究し、論理回路のモデルを作り、まだ当時はアナログ計算機の時代であったから、実際に電子回路を作ってシミュレーションまでしていたからである。

この理論はいまではサンタフェインスティテュートのスチュアート・カウフマンの「複雑ネットワーク理論」、いわゆる「複雑系理論」が登場する1980年代になって流行りだしたものだが、それよりはるかに高度な理論を1950年代に完成していたのである。まったく独力でだ。

なんたる天才。

事実、スチュアート・カウフマン博士の代表作
The Origins of Order(秩序の起源)
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にはM. Sugitaの名でちゃんと論文引用がある。

もちろん、スチュアート・カウフマンもユダヤ人。自分の研究より何十年も前に我が国の杉田元宜博士が自分のこの本よりずっと先に行っていたということはダンマリを決め込む。申し訳程度の1つ論文を引用しただけのことだ。杉田に言及すれば、ここの私のように、大変な衝撃を受けるからであるし、自分のオリジナリティーの欠如の問題になってしまい、せっかくの自分のネットワーク理論の内容を語るチャンスすら失うからである。

なぜか?

実は杉田博士は、カウフマンが複雑系理論を銘打って世に出るようになった1969年より何十年も前に、カウフマンがやることになったようなアプローチは生物には意味が無いときちんと論文で説明していたのだ。杉田博士は、かのシュレーディンガーの「負のエントロピー」=「ネゲントロピー」すら、その定義の問題点を明確にしていたのである。ましてやブリリアンに端を発する「情報エントロピー」は生命に使うには非常に注意を要するとはっきり書いている。

ましてや「マックスウェルの悪魔」に関しては愚の骨頂と書いていた。生命とはまったく無関係だと。エントロピーを理解できない人間がそうやって遊びに逃げると言っていた。実に痛快である。

生命は、物質代謝、エネルギー代謝、そしてエントロピー代謝の全部が複雑に絡まり合う壮大なる「過渡的現象」であって、生命誕生から現在に至る歴史そのものが一つの「過渡的現象」=「歴史的に一回こっきりの実験」であると主張していたからである。

が、杉田の指摘や注意は欧米には届いていなかったし、戦後の我が国でも知られることはなかった。

不幸にも、この杉田元宜博士は、小林理研が再編成されて単なる民間の音響器メーカーに変わるときに一橋大学教授になってしまった。一橋大は唯物論共産主義左翼の大学である。しかも人文系社会科学、経済学しかない。そんな大学に行ったのである。

杉田博士はそこで経済学の教授として、これまた驚きの研究を行った。経済学を熱力学として見直すというシロモノである。これが1960年代から杉田博士の晩年までの研究である。
社会とサイバネティックス (1969年)

社会とシステム論(1円本)

工学的発想のすすめ(1円本)


杉田の経済学の熱力学的たとえ、あるいはその逆で熱力学の経済学的たとえは非常に面白い。

杉田が熱力の本「熱力学新講」を書いていた頃(いまアマゾンみたら杉田博士の『熱力学新講』が早速でていますナア。この間はまったくなかったんだが)、日本は戦前であった。そして書いているうちに日華事変、日中戦争、そして太平洋戦争に突入していった。

杉田は序文の最後にこう書いている。
本書を執筆中日華事変となり、病床にある中に欧州戦争となり、校正中太平洋戦争となった。戦後再販にあたって時勢の変化に考え根本的に改めた所は多いが、意にまかせないので、誤りを正す以外に補註をつけて補うことにした。本文中ゴシックでなどとしたのがその番号である。しかしこれでも今日の世の中で何かの役には立つだろうと思って世に送る次第である。


だから、戦後はいわゆる「闇市時代」であった。

杉田はこの闇市を「熱拡散」と例えたのである。それに対して、外力による仕事は政府による命令や法令。人々はガスの原子分子と思ったのである。

いくら政府が公正に努めよと厳密な統制経済を行っても、ミクロにみれば、うごめく人々が政府の扱いきれない闇市で金や物資を散財する。これが熱拡散や熱散逸である。

杉田はこのように始めのうちはわかりにくい熱力学をナマの経済現象にたとえて説明したが、晩年に一橋大の経済学教授や社会学教授になると、逆に経済学や社会学に熱力学を応用したのである。

これまたいまでは常識となった発想である。

なぜなら、株式市場こそ我が国の伊藤清博士の創始した「確率微分方程式」を応用した「ブラック=ショールズ方程式」を使って株式投資する時代になったからである。確率微分方程式は拡散現象のブラウン運動理論を説明するうちに出来上がったものである。

経済の安定性を生命のホメオスタティスのようにネットワーク熱力学の観点で考察した。それが杉田の熱力学的発想であり、「工学的発想のすすめ」であった。

科学では声の大きなものが勝つ。我が国では戦後久保亮五博士が一番声が大きかった。海外の外人は耳が遠い。だから大きな声しか聞こえない。ましてや英語論文しか読まない。

ところが、杉田の論文の95%は日本語である。もちろん、ドイツ語英語論文も書いている。が、その数はごく僅かである。だから、杉田の声は海外にまで届かなかった。ましてや我が国ですら届かなかった。

さらに太平洋戦争による米軍の無差別絨毯爆撃で旧帝大や国立図書館や公営図書館の大半が消失した。さらに一般人の民家も首都圏を中心に消失した。広島はあのざま、長崎もあのざまである。原爆で一瞬にして消失。だから、戦前までに我が国で蓄積してきた多くの科学書やアカデミックな価値のある書籍の大半が失われたのである。

かの竹内文書のオリジナルも東京空襲の無差別爆撃で失われたという。

そういうわけで、杉田の本もかなり劣化したままである。当時の出版社の社員もみな死んでいる。出版関係者も現存しない。

というわけで、私は杉田元宜博士の「熱力学新講」と「過渡的現象の熱力学」を私が「現代語訳」して復活させたいと考えた。

はてこういう場合に著作権はどうなるのか?

著者もいない。家族も分からない。本もほとんどない。だが、その本は歴史的価値がある。我が国の宝である。

こういう場合にどうすればその本を復刻できるのか?

ところが、どういうわけか、昨今の左翼の運動家のせいで、「プライバシー保護法案」というものができてしまった。これはアカデミックな正当なビジネスまで妨害する。

私が杉田博士の著作権の問題を知りたいから、そこで調べると、著作権は死後50年まで生きている。博士は1990年にお亡くなりになったから、2040年まで杉田の著作権は生きている。ならば、ご遺族やご家族の許可を得るほかはない。

というわけで、当然ながら出版社に問い合わせる事になろう。そうやっていざ問い合わせれば、「プライバシー保護法案」によってお教えできないとなる。弁護士をとうしてやれよってサ。

はあ〜〜、アホですか?

両者の身分や国籍や個人が判明すれば、出版社がそのご遺族を紹介しても良さそうなものであるし、むしろそうあるべきであろう。

どうやら弁護士会の陰謀だったようですナ。「プライバシー保護法案」を通すことにより、左翼のすなわち在日朝鮮人韓国人の弁護士の仕事が増えて儲かる。左翼弁護士の需要が増す。そういうために「プライバシー保護法案」を作ったんですナ。

ちなみに、インターネット時代に入り、欧米はむしろ逆になった。著作やアカデミックな出版物に対しては、著作者は著作権を著作権法に従わないで放棄して欲しい運動が流行っているのである。さもなくば、前世紀の古典や古本の再販や復刻が出来ない。

いまでは、3Dスキャン、3Dプリンターの時代である。ディジタルデータさえあれば、本を復刻できる。くだらん本ならともかく科学分野の歴史的な著作はすぐに復刻できる方が好ましい。だから、欧米は著作権放棄NPOが活躍して、多くの古い科学書が現代に復活している。

我が国には朝鮮人がいる。左翼のシナ系の帰化人がいる。こういう連中が何から何まで日本人の邪魔になる。邪魔をする。こうやって「韓の法則が発動」し、国が崩壊するのである。それが遺伝子異常が950万箇所も積み重なったヒトモドキ人種の宿命なのだという。ほんとどうにかしれくれヨ、このヒトモドキ共を!

いやはや、残念無念。

亡き杉田元宜博士には大変申し訳ないが、どうやら杉田本の復刻は無理のようである。

杉田博士のご遺族がこれを読んで私に知らせてくるという幸運でもなければ不可能だろう。

まさに
すぎたるはなお及ばざるが如し
というやつですナ。

まあ、俺個人は現代語版を出すには2〜3年かかるからその分時間が出来て結構なのだがナ。

いやはや、世も末ですナ。




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by kikidoblog2 | 2016-05-10 10:58 | ブログ主より

「ベンチャー科学研究所からのメッセージ」:標準理論を打ち砕く研究に投資します!   

みなさん、こんにちは。

昨日ある知人からアメリカの有名な化学物理学の教授であるポラック博士から以下のような連絡が来たというメールをいただいた。そこでここにもメモしておこう。以下のものである。
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エキサイト翻訳
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要するに、
既存の「標準理論」に挑戦する世の科学者や技術者たちに向けて、この世界の新しい大変革を行うような先見的な研究プロジェクトに対して資金援助する
というものである。逆に、普通の科学研究には援助しないとすらある。

少年よ、大志をいだけ!

強者や腕に覚えのある人は是非挑戦してもらいたい!


実は最近になってこのような動きは世界中で姿を見せ始めている。

またいつかちゃんとメモしようかと思って忘れていたことに、かのエリック・ドラード博士に対する資金援助や研究支援の話がある。

私の「ニコラ・テスラが本当に〜〜」の上巻で書いたように、2012年にドラード博士がRCAからスピンアウトして出てきた時には、日系米人のアーロン・ムラカミはドラードに対して真っ向から邪魔して回っていた。装置はことごとく没収。論文は著作権のいちゃもんをつけて撤収。そんな妨害工作をしていたのである。

早く逃げて〜〜!

状態であったのだ。

それがごく最近のYouTubeを見て驚いたのだが、今ではアーロン・ムラカミはドラードの強力な擁護者に変貌を遂げていたのである。
Eric Dollard - Answers Facebook Questions - 2014-02-23
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どうして?

さらにドラード学会までできていた。テスラ学会もあったが、最近ではドラード博士の研究を支援するものまで多々出てきたのである。これである。
The Secret Teachings 5 10 15 Eric Dollard Free Energy


Eric Dollard Q & A at 2015 Energy Science & Technology Conference


2015 Energy Science & Technology Conference Panel Discussion


そんなわけで、いまでは「テスラの実験をすべて再現した男」天才エリック・ドラード博士
Eric Dollard - History and Theory of Electricity
の研究所も復活中である。
Eric P. Dollard – Official Homepage
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2016-12-11 EPD Laboratories - GLOM UPDATE


さらに、いわゆる「ビッグバン」や「ブラックホール」などアインシュタイン理論から端を発した標準理論に対する「見直し運動」も出始めていた。以下のものである。
Is modern physics crossing the boundaries of science? PANEL DISCUSSION


いまや世界中の「標準的科学者」たちが
このままではまずいぞ
と「標準理論」の問題点を追求し始め、「非標準理論」「脱標準理論」を追求し始めたのである。


というわけで、我が国のバカゴミ、マスゴミ、ダマスゴミや馬鹿大学の世界からはまったく一般人には分からないのかもしれないが、世界では静かに次の大変革への胎動が始まっているのだ!

ドラード学会に金を援助した人物がいた。が、アノニマス(=匿名)の人物が若者たちの参加を促す旅費等および奨学金などを援助したという。ちなみに、アノニマスというのは匿名という意味でしかなく、ハッカーのアノニマスは名を借りた成りすましである。

いずれにせよ「科学(サイエンス)」というのはそれまでの「宗教」の代わりとして存在したのであって、それまで宗教を信じていた人たちが自分たちの所信や心の置き場所がなくなったので科学によってそれを埋めたという感じにすぎないように見える。

つまり、西洋人にとっての科学とは、科学を信じるか宗教を信じるかどっちだの世界である。言い換えれば、西洋人によって科学は「代替宗教」なのだということである。だから、科学の標準理論をやたらと信じたがるわけである。常に何かを強烈に信じこまないと生きていけない人種である。そういう傾向が見て取れる。

だが我々日本人は、それに何か違和感を持つのである。日本人は八百万の神の世界である。だから、科学を宗教のように見ることもなければ、宗教を科学のように見ることもない。言い換えれば、宗教の神様も科学の神様も共に信じる。日本人にして初めて宗教も科学も同列で見るという自由度がもたらされる。

しかしながら、これは西洋人には理解不能のあり方らしい。

だから、科学礼賛しすぎると、科学以外は懐疑主義の対象となる。すると、科学の神様だと思っていたものが、悪魔だったりすることになる。いわゆる悪魔主義は懐疑主義者の世界に多い。

オープンマインドであるためには、科学自身を科学で否定できる自由度も科学には必要なのであろう。しかしながら、昨今の科学はストリクトになりすぎて昔の天動説のようなものになりさがったのである。

いかにしてそれを突き破るか?

そういう問題が今現在の問題である。

もし我が国の科学者がこうした海外の静かなる胎動に気づかいないとすれば、

いやはや、世も末ですナ。


おまけ:
ところで、偶然なのだが、このベンチャー科学のための研究所のロゴマーク
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これは物理数学の分野では「三葉ノット」(みつばの組紐)として有名なものであるが、実は我が家の結婚指輪は私がデザインして弟に作ってもらったものなのだが、まさにそれだった。
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三葉ノットには右回りと左回りの二種類が存在する。これまた偶然、私のものが右回り、奥さんのものが左回りとなったのである。

というわけで、今度からこれをしていると、なんとなく

「俺はベンチャー科学者」なんだぞという感じで誇らしくなりましたナ。
フリーランス科学者からベンチャー科学者になったわけだヨ。

これからは「ベンチャー科学者」(=既成標準理論に挑戦する科学者)の時代の幕開けだ〜〜!

今度から名刺はこれにしよ。



おまけ2:
ところでゲラルド・ポラック博士とはこの方。
「水は何でも知っていた!」:生命には「マイナスイオン」が自然に満載される!?

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(ポラック博士は現在アメリカ、シアトルのワシントン大学の名誉教授)

Prof. Ph. D. Gerald H. Pollack: The 4th phase of water
(「生体内の水」はコップやビーカーの中の「普通の水」とは全く違うという話。)

著書多数。最近の代表作がこれ。「水の第4の相」
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私がひたすら熱学において「熱力学第4法則」や電磁気学において「真空の第4相」=「エーテル相」を追い求めているように、ポラック博士は水の「未知なる相」=「第4の相」を追求してきた科学者である。水は気体、液体、固体と3つの相状態があるが、それ以外にもう1つ「第4相」=「生体」があるのではなかろうかという仮説である。これはかの治部眞理博士と保江邦夫博士とハメロフ博士らによる「脳内の水」が記憶するという研究と実にマッチする研究なのである。こうした、いわゆる標準理論に挑戦する姿勢を大事にしている博士なのである。いずれにせよ今はアインシュタイン以来の大革命の前夜に入っている。




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by kikidoblog2 | 2016-05-09 12:06 | ブログ主より

頑張れ日本!:あれから5年、復興祈願しお見舞い申し上げます!   

みなさん、こんにちは。

311
2011年 03月 ( 107 )


今日は東日本大震災の5年後、5回忌である。

そこで、いくつか自衛隊の歌姫たちの心からの歌声を贈ることにしたい。

陸上自衛隊「歌姫」

女性自衛官が歌う 中島みゆき『時代』

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平成24年度自衛隊音楽まつり 風が吹いている
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海上自衛隊「歌姫」

平成24年度自衛隊音楽まつり ふるさと
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自衛官が歌う 赤い鳥『翼をください』 - 海上自衛隊横須賀音楽隊

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(俺は村上なぎささんのファン)


レコ大企画賞受賞自衛官三宅由佳莉クライマックス国歌斉唱
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生存者の皆さんへはお見舞い申し上げ、お亡くなりの方々へはご冥福を祈ります。

頑張れ、日本!

おまけ:
俺の声が響き渡ったブラジル・レシフェの象牙海岸戦の君が代もどうぞ!低音のバリトンの魅力だナ。
私の2014年ブラジルW杯観戦記2:「君が代」斉唱で、ついに「神が降りた!」

2014年6月15日 W杯初戦 君が代

Hino Nacional Japonês (君が代) - Copa do Mundo 2014 na Arena Pernambuco


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by kikidoblog2 | 2016-03-11 09:52 | ブログ主より