除籍本の中に埋もれた「萩原雄祐博士のいい話」:ディラックはいつも薄暗いところで本を読んだ!
2016年 05月 02日
さて、こっちの話をメモするつもりが、地震電磁波の変動のために地震予知の方が先になってしまった。
先日メモした
わが師・わが友〈第1〉 (1967年)やはり実に重要な本だと思う。今回はこれをまたメモしておこう。
わが師・わが友〈第2〉 (1967年)
大学図書館の「除籍処分の嵐」:みすず書房の「わが師・わが友」まで除籍だった!?
やはりこういう重要な歴史的な本は常に再販体勢にしておくべきだろう。
「心かよわす世界の星」 萩原雄祐
まず第二巻の最初に理論天文学者の
萩原雄祐博士の「心かよわす世界の星」という「わが師・わが友」がある。
この日本人博士のわが師とは
アーサー・エディントン卿のことだった。アインシュタインの一般相対性理論を実験的に検証した博士である。
しかし、萩原博士は実際にはエディントン卿のグループではなく、数物理論の
ヘンリー・ベーカー博士
のグループに入ったのであるという。
1923年のことだったという。それから2年間の留学だったという。
なんとこのベーカー教授の理論部門には研究生として若き
P. A. M. Diracがやってきたというのだ。当時まだまったく無名ブリストル大学卒業したばかりの研究生だったとある。
その頃からディラックは非常に無口で、いつも図書館の薄暗い場所で本を読んでいたという。特にドイツの論文を読もうとすると、いつもディラックが先客で読んでいたという。
ところがそのディラック。ある時、ベーカー教授に対して講義中にしきりに不連続関数の表示のことを聞いていたという。話さないディラックが講義で質問していたわけだ。
そして、それの成果が「ディラックのδ函数」になったとある。
今では学部生でも知っていることだが、不連続関数を微分すると超関数が得られる。それがディラックのδ函数であるが、それを研究生のうちに開拓したとある。
萩原博士の最後の一説が「バーコフ先生」である。この
バーコフ博士(George David Birkhoff)は微分方程式論にトポロジーやファイバーバンドルの概念を持ち込んだ天才である。このバーコフ博士の言葉がいまや数学界の伝説レジェンドとなった。
その言葉とはこれである。
夢に見、うつつに考えるようでないと立派な研究はできない
つまり、良い研究したければ、考えていて溝にハマったピタゴラスのようであれ、ということである。
もちろん、この萩原雄祐博士は東大数学出身。
この伝説はいまも生きているらしいナア。これだ。
東大の数学科が志望者の心を折りにきてる「もはや魔境」
奇人変人は東大数学へ行け!そしてアメリカの数学部に行け!
アングロサクソンはあまり数学ができない。しかし、数学部は初歩的な数学を教える需要が高いために、授業も多く、その分学部の規模も大きい。だから、大学院生のTA給料も物理よりずっといいし、ポスドクはなく、最初から助手で始まる。そして周りはユダヤ系の奇人変人だらけだから日本人のちょっとやそっとの奇人変人では目立つことはない。
そこで名を挙げればいくらでも日本で職取れるらしいゾ。
この次の吉田洋一博士のも面白いが、これはまた今度にしよう。
いずれにせよ、どうしてこういう良い本を大学や高専は平気で除籍してしまうんでしょうナア?
いやはや、世も末ですナ。
おまけ:
・Sir Arthur Eddington and the Foundations of Modern Physics
・On Arthur Eddington’s Theory of Everything
・ORAL HISTORIES
Llewellyn Hilleth Thomas
by kikidoblog2 | 2016-05-02 20:12 | 普通のサイエンス










































