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リオ五輪番外編3:オリンピック最終選考会は国内最高のイベントにすべき!?   

みなさん、こんにちは。

さて、今度のリオ五輪でも陸上選手では、毎回毎回何度も見てきたような、馴染み深い光景で終わっている。

いつもの力が出せませんでした。
調整ミスでした。
世界のレベルの高さを痛感しました。
いい経験をさせていただきました。

陸上・福島千里に訪れた残酷な結末 最速女王に「4年後」は見えているか
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毎度のお答えである。

しかしながら、これは世界最高の大会である。だから、分野がレスリングであれ、バドミントンであれ、卓球であれ、水泳であれ、柔道であれ、サッカーであれ、シンクロであれ、バレーボールであれ、何であれ、それぞれの分野で置かれた状況は陸上とそれほど変わらないはずなのである。

水泳の萩野選手や瀬戸大也選手も欧米の大型選手の中では小粒な日本人である。でも、ちゃんとメダルを取っている。

今回陸上で世界に衝撃を与えた400mリレーの銀メダルでもそうで、日本人走者たちはボルト選手や他の国々と比べたら小粒な方である。それでもちゃんとメダル争いに残った。
この差はどこからくるのだろうか?

言い換えれば、
陸上だけがどうしてこれほどまでに弱くなってしまったのか?

これが私が個人的にずっと興味を持ってきたことである。

まあ、この問題はこれから各分野で分析して次回の東京五輪に繋げようとするのだろうが、一応私個人のメモをしておこう。

私個人の分析では、日本の陸上が極めて弱くなったことには2つの大きな原因があると考える。
(あ)陸上の長距離と短距離との育成法の違い
(い)代表選考会の問題


(あ)陸上の長距離と短距離との育成法の違い

あず長距離と短距離の育成法の違いというをメモしておくと、これは長距離向きの体質と短距離向きの体質は全く違うということになる。

すでにスポーツ医学や生理学の発達から、赤みの筋肉白身の筋肉の問題がある。つまり、持久力型の筋肉と瞬発力型の筋肉の2種類があり、人により遺伝的にその配分が異なっているということである。

長距離は赤みの筋肉がメイン。短距離は白身の筋肉がメイン。

長距離遠泳型のマグロの筋肉は赤みであり、瞬発力型の鳥の筋肉は白身である。だから、種目に応じて、食べるべき肉の種類も変わる。

同様に人の筋肉にもその2種類が分かれているから、長距離に強い選手ほど赤みの筋肉の多いものが強くなる。逆に短距離ほど白身の筋肉の多いものほど早くなる。

問題はこれをどう判別するかである。

遺伝的に生まれつきある程度決っているから、やはり分子遺伝学的に細胞を採取して調べるのが一番だろうが、なかなかそこまでできないだろうから、他のやり方を探さなければならない。

そこで、実際に走らせてみて適性を見る。これがどこの学校でもやっていることだろう。

ところが、この「走らせて調べる」というのが曲者で、いったいどれほど走らせたら分かるのかが分からないのである。

その結果、箱根駅伝まで行くのだが、箱根駅伝はせいぜい23kmが最長距離である。だから、箱根駅伝で大活躍したら世界陸上のマラソンで軽く優勝できるかというとまったくそうはならなかった。

すなわち、23km走では適性は正しく測れない。

これが私の見方である。

つまり、駅伝程度の練習ではマラソン向きかどうかは判別できないのである。


そこで、実際に高橋尚子選手がどうだったかということがデータになる。彼女は、小出監督時代、毎日43kmを2本走っていた。それでも怪我することがなかった。

なぜ?

実は高橋尚子選手は非常に大食いだったのだ。ギャル曽根並である。

つまり、これは
新陳代謝が普通の人よりはるかに早い
ことを意味している。普通の人は、これほど大食いとなれば、新陳代謝が遅く、あっという間に体内に脂肪が蓄積して肥満してしまう。また胃袋もそんなに大きくなれなから一度にはたくさん食べられない。

ところが、高橋直子選手やギャル曽根は驚くほど食べても何の問題もない。例えば、1日1万キロカロリー摂取しても平常体重でいられるのである。

同様に水泳のレジェンドになったマイケル・フェルプス選手も1日に1万キロカロリー食べているらしい。だから、何種目に出てもまったく余力が残っている。

体力がある。タフなスタミナと、大食いはかなり相関関係が高い。

実際、ギャル曽根姉妹も子供の頃マラソンで一番になって商品の米をゲットしたというエピソードがある。

だから、マラソンで高記録残す選手は何よりも大食いであることが必要である。

なぜなら、毎日43kmを2回走ってもまた明日には同じ距離を走ってそれでもまったく怪我しないためには、一晩寝たら細胞や筋肉が再生されるというような新陳代謝でないと不可能だからである。

ここに、私が今の日本陸上界の駅伝ブームこそ、日本の長距離の弊害、障害になっているという理由がある。

駅伝の選手はむしろ短距離や中距離向きなのである。あるいは、他のサッカーやホッケーなどに転向したほうが良いのである。23km走ってヘロヘロになっているレベルでは、それからいくらフルマラソンの選手に転向しても世界レベルになることはかなり難しいのである。

筋肉新陳代謝がまったく違うからである。

だから、わが国で駅伝の人気が高まれば高まるほど、間違った選手育成がはびこり、青学は儲かるが日本陸上界はレベルが下がっていると私は分析するのである。

駅伝がオリンピック種目になれば良いかもしれないが、駅伝は存在しないのだから、駅伝をやってもまったく意味が無い。

むしろ、長距離の適性のない選手に過酷な練習を強いることになり、足の怪我を誘発して、選手生命を短くするだけである。寿命すら短くしかねない。

ところで、サッカーの場合、だいたい一試合に平均12km程度を走る。歩いたり、ダッシュしたり、その総計がおおよそ12kmである。私が高校生の頃、週に2回、20km走+筋トレの日があった。

1試合の2倍走っても足が痙れない状況になって初めて1試合目いっぱい走っても大丈夫になるのである。私はそういう経験をしている。

逆に1試合の半分のハーフタイムまでの45分程度の走力練習では、一試合はなんとかこなせるが、後半には確実に足がつる。そういうものである。なんとかこなせるというのがその本番の半分までの日々の練習。本番で目一杯やっても余力が残る状況は、本番の倍の練習量から得られるのである。

だから、フルマラソンも同様で、1日にフルマラソン二本走っても問題ない選手であれば、リオ五輪の本番で目一杯走っても余力が残る状態で走れるのである。だから、いくらハーフマラソンが早くてもフルでは後半失速するのは練習量の甘さが原因なのである。また、その練習で怪我しないというのは、まさに適性であり、新陳代謝の速さによると考えられるのである。


(い)代表選考会の問題

これもまたわが国の陸上ではよく見る問題である。有森裕子選手を選ぶか、その大会で優勝した選手を選ぶか、物議をかもしたものである。今回もそうであった。

同様に、柔道でも、最終選考会の優勝者をオリンピック代表にするか、それ以前の1〜2年前の国際大会の優勝者を出すべきかというような似た問題がある。

柔道で言えば、今回海老沼選手は銅メダルだったが、オリンピックの直前の最終選考会では、予選敗退だった。優勝者は別のずっと強い選手だった。

もう盛りを過ぎた選手をそれまでの国際経験を買ってリオ五輪に出場させたのだから、銅メダルが良いところだろう。国内最強ではないわけだ。だから銅でよく頑張ったということになる。

逆に今度は国際大会未経験の若手の新進気鋭の若者をリオ五輪代表にした場合には、雰囲気に飲まれてまったく力を発揮できないか、あるいは、一気に楽々優勝かのどちらかになるという危険がある。

そこで、柔道の場合には、そのリスクを軽減した結果、今回の大半の銅メダルラッシュとなったわけだ。要するに、井上康生が安全策を取ったわけだ。前回ロンドン五輪がデスブログ妻のせいでひどすぎたからだ。
東原亜希のネガ超能力パワー炸裂!:ますます燃え盛るデスブログ!?


ところが、予想外は、初出場者の優勝者金メダリストがたくさん出たということである。

レスリング女子でも初出場で金メダリストが何人も出た。柔道でも男子でそうだった。ベイカー選手は危なげなく優勝した。もちろん、最終選考会でも優勝して選ばれたわけだ。


というわけで、やはり問題は最終選考会の時の勢いがそのまま本大会のリオ五輪でも出たのだと見るほうが自然ではないかということになる。

最終選考会で、それまでの国際大会経験者と未経験者が戦って、ほぼ同レベルであれば、経験者を出しても問題無いと見るべきだろうが、未経験者でも経験者を圧倒して優勝したような場合にはその未経験者を代表にすべきだろうということになる。

マシュー・ベイカー選手はそういう選手の一例である。100mや400mリレーのケンブリッジ飛鳥選手もそういう感じの例であるだろう。

そこで問題は、では
ジャマイカやアメリカはリオ五輪でも、それまでの五輪でもいつも大成功している。だったら、そのやり方をわが国の選手選考でも真似をしたら良いだろう
ということになる。

つまり、「代表選考会」の国内予選大会開催というものである。

これはわが国には馴染みがなく、あまりよくその雰囲気が分からないが、要するに一種のプレオリンピックのようなものをオリンピック本戦の1ヶ月前に行って、そこで優勝したものを中心に代表にするという、俗に「一発勝負方式」というものである。

そして、その一発勝負にコンディションを揃えて、その勢いで本戦の五輪に突入していく。これが、アメリカやジャマイカなど五輪上位の国のやり方である。

マラソンでもまったくコンディションの違う別々の大会に別々に出て、その時々の日本人1位を選ぶというような不鮮明なやり方をするから、まったく歯が立たないのであって、全員がこの最終選考会に出て、そこで上位3人とした方が選手にとっても調整しやすいのである。

五輪の本番も一発勝負なのだから、予選選考会も一発勝負。この一発勝負感が、本戦の勝負強さを生んでいるのである。

だから、ジャマイカ、アメリカ、イギリスの選手たちが本番の一発勝負に強いのである。

マラソンで一番記録の出そうな好コンディションで走って日本人1位になったからリオ五輪代表にしてください。なんていうのは、あまりに甘すぎるのだ。だから、結局、本番ではまったくダメになる。

ましてや、リオ五輪の本番より半年も前に出場決定なんてなっていれば、調整している内に実力が下がってコンディションが悪くなっても代表選手を変えることも出来ない。また、本人も本番が近づくに連れてプレッシャーでどんどん調子を落としてしまいかねない。実際に毎回毎回これを繰り返してきた。今回もそうだった。

ところが、なにはともあれ、本戦一ヶ月前の最終選考会が全てだということになれば、昔のことなど一切忘れて、とにかくこの最終選考会だけに集中してコンディションを揃えることができる。そしてそこで勝てば即五輪出場となるわけだから、その勢いで乗り込むことができる。

これが、ジャマイカやアメリカやイギリスのやり方なのである。

そろそろわが国のスポーツ界もオリンピックは1ヶ月前のプレオリンピック選考会方式に変えるべきだと俺は思う。

ところで、今回、このジャマイカの最終選考会の様子を偶然に撮影してきた人がいた。リオ五輪出場する直前の7月上旬のジャマイカの最終選考会のことである。これである。
Jamaica&Japan下町ボブスレー訪問記
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準決勝ボルト登場
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前半ボルト遅れる
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最後に勝つ
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このように今や陸上王国になったジャマイカでは、最終選考会は国家事業として、まさに国内オリンピックとして、貴賓席に来賓者多数の状態で行われているのである。

わが国のどのスポーツもオリンピック最終選考会は国内最高のイベントとして一般人入場させて、夏の甲子園のような大盛況大観衆の下で選考レースを行うという形がどうやらベストのように見える。

そうすれば、本戦の五輪でも大観衆に驚くこともなく、平常心で競技に集中できるのではなかろうか?


いや〜〜、ジャマイカは侮れませんナ。

まあ、そういうこともどうでも良いんでしょうナア。わが国の陸上界は。駅伝でガラパゴス化していればそれでよろしいわけだからヨ。


いやはや、世も末ですナ。




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by kikidoblog2 | 2016-08-24 10:17 | サッカー・リオ五輪

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