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異論反論オブジェクション「僕達のサッカー」とは?:「自分たちのサッカー症候群」蔓延の危機!?   

ユダヤジョーク集

世界各国の人が自国のサッカーについて熱く語っていた。

イギリス人は「イングランドのスピードサッカーこそ世界最強だ」と主張。
ドイツ人は「ドイツのコンチネンタルサッカーこそ世界最強だ」と主張。
オランダ人は「オランダのトータルサッカーこそ世界最強だ」と主張。
ブラジル人は「ブラジルのテクニックサッカーこそ世界最強だ」と主張。
アルゼンチン人は「アルゼンチンの変幻自在サッカーこそ世界最強だ」と主張。
イタリア人は「イタリアのカウンターサッカーこそ世界最強だ」と主張。
フランス人は「フランスのシャンパンサッカーこそ世界最強だ」と主張。
スペイン人は「スペインのバルササッカーこそ世界最強だ」と主張。
ナイジェリア人は「ナイジェリアのフィジカルサッカーこそ世界最強だ」と主張。

見ると、日本人だけがまだ何も言っていないことにみんなが気がついた。
そこで、みんなが日本人に聞いた。「日本はどうよ?」

そこで日本人が言った。
「日本は世界最強になった国のサッカーこそ世界最強だと考えます」
「それが僕達のサッカーなんです」。


みなさん、こんにちは。

いつもは週末は特別なものがない限りここはお休みにして、論文や本を読むことにしているが、今回はちょっと面白いものをいくつか見つけたので、それらをメモしておこう。

まずはサッカーの話。

先日のU17杯のアジア予選のイラク戦で、”予想外”の敗戦についてメモしておいた。以下のものである。
U17W杯予選:イラクに2−4で敗退!宮代が決定機2発はずし、相手に2PKやる!


サッカーもバスケやバレーやボクシングなどの他のスポーツと同様、得点できるチャンスに得点できず、失点してはいけない場面で相手を助ければ、試合には勝てない。

とまあ、そういうことである。

10回ほどの決定機をことごとく外しまくり、たったの4回、5回のチャンスでことごとく入れられたら、どんなチームも負ける。

今回のイラク戦がそんな試合となった。

その理由を私個人は森山監督の采配ミスや大会全体を通じたゲームプランや勝ち上がりプランの欠如や日本人特有の「100戦100勝」「連戦連勝」「完全優勝」を好む気質に由来するとメモしたわけだ。

弱い相手に相手に恥じかかせるように8−0とか6−0とかで勝つ必要はない。予選リーグで20−0で勝ち上がり、トーナメントに入った途端、UAEに1−0。そして準決勝のイラクに2−4の大逆転負け。

普通ならこれで監督解任だろう。

弱いチームに勝ち過ぎ、強いチームには良い所無く負ける。


この弱いものいじめのようなサッカー気質が、1994年にJユース世代ができてからの昨今のユース世代の傾向であり、気質である。そう私は見て来た。

これが、標語的に本田圭介と長友佑都の世代の主張する
「僕達のサッカー」「俺達のサッカー」
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というものである。

実際、この気質というか、風潮は、徳島ヴォルティスユース出身の子どもたちを見てもそうだったし、他のチームのユースをみてもほぼ100%そうである。

これはある種の時代的な風潮であり、「仲間内だけに通じる方言」が「僕達の言葉」というように、「仲間内だけで通じるサッカー」というような意味合いが強い。

こうなると、「仲間でないもの」「異質なもの」に対する排除の気持ちが生まれて、
一種の「村八分」をしかねない。


事実、本田圭佑選手の星稜高校時代の先輩にあたる豊田陽平選手が日本代表に入ると、何度も本田圭佑や香川真司などから、
豊田のサッカーは合わない
とクレームをつけて排除したわけだ。

これが「僕達のサッカー症候群」とも呼べるものだが、私だけではなく、最近は普通のサッカーライターやサッカーファンにもこれが目につくようになったらしい。以下のものである。

「日本が”自分たちのサッカー”が大好きな理由は、単に楽をしたいからではないか」AFC U-16選手権 準決勝 日本-イラク

グループリーグで21得点無失点と快進撃を見せ、当然のように優勝が期待されていた日本だったが、準決勝のイラク戦では2つのPKを含む4失点と守備が崩壊して2-4で敗戦、残念ながらベスト4で大会を終える事になってしまった。

ただしイラクが凄く強かったというわけではなくて、どちらかと言えば日本が勝手に自滅してしまった感が強く、やはりいかに百戦錬磨の森山監督といえど、U-16の若い世代の選手を全てコントロールし切る事は難しかったのだろう。

試合が始まってすぐに、その悪い予感は見て取れた。そこまでの日本は、もっとビルドアップが素早くてサイドを有効に使っていたのだが、明らかに後ろの方で足元へとパスを回してなかなかボールが前に進んで行かない。そして苦し紛れに適当なロングボールを蹴ってはセカンドボールを拾われ、19分には菊地のクリアミスを拾われてからのシュートが、瀬古の足に当たってゴールに吸い込まれてしまう。

それでも日本は、29分に平川の絶妙な浮き球パスから山田が決めて同点に追いつき、42分には左サイドから山田が出したグラウンダーのクロスが、宮代とGKの間をスルッと抜けて決まるラッキーな2点目で日本が逆転、さらに後半は前に出てきたイラクの裏を突いて、カウンターから宮代が3度の決定機を迎えるものの、GKとクロスバー、ポストに当てるスリーカードで追加点を奪えない。おそらく、ここで3点目が入っていれば相手の気持ちは切れてしまったはずだ。

そして迎えた後半22分、左サイドからダウードが上げたクロスをファーサイドで折り返されると、中に詰めていたアブドゥルサダに押し込まれて同点に追いつかれてしまう。日本はここで一度落ち着けば良かったのだが、追いつかれた焦りからかS全体がむやみに前へ上がり、失点の直前に投入された久保もサイドではなくてトップ下に張り付いて、縦へ中へと攻め急いでは引っかかる展開が続いてしまう。

すると案の定、35分にカウンターから抜け出したダウードを瀬古がスライディングで倒してしまいPK、そして瀬古は2枚目のイエローで退場と万事休す。90分以内に追いつけばPK戦に持ち込める日本は、その後も諦めずにイラクを攻めるものの、試合終了間際には明らかなダイブを誘ったイラクに再びPKが与えられ、結局試合は2-4で終了した。

まあ、負け惜しみみたいに見えるからあんまりこういう事を言いたくないけど、やはり最大の目標であるU-17W杯の出場を決めたから、モチベーションが落ちてメンタルがぬるくなったという面はあったんだろうね。そうなると、足元でパスを回してサイドよりも中を攻めたがり、全員が攻め達磨になるがチャンスに決められず、カウンターから1対1の弱さを突かれて失点という、悪しき”自分たちのサッカー”が首をもたげてしまうのは、もう全世代における日本の宿痾と言って差し支えないのかもしれない。

イタリアのように、何も指示しなくても勝手にゾーンを組んで戦術的なサッカーをやってしまうレベルになる日が、果たして日本にはやって来るんだろうか?


さて、この記事の主張は一理あるが、その評価は各人におまかせし、最後の問
イタリアのように、何も指示しなくても勝手にゾーンを組んで戦術的なサッカーをやってしまうレベルになる日が、果たして日本にはやって来るんだろうか?
に対する私の答えからメモすれば、

その答えは

ノー

である。日本サッカーがイタリアサッカーやアルゼンチンサッカーやフランスサッカーやドイツサッカーのようになる日は来ない。

かつての釜本選手の時代が、釜本世代の「自分たちのサッカー」であったように、いつの時代のわが国のサッカーもその時代の世代、代表における「自分たちのサッカー」でしかなかったからである。

イタリアやアルゼンチンのように、だれが出てこようが、いつの時代でもそれがイタリアサッカーであり、アルゼンチンサッカーである。

しかしそういうように、我が国の場合は国民性がそのままサッカーになるということはない。

冒頭の私のジョークのように、わが国はどの世代でもその時代の世界最強の真似をしてきたのである。いわば、「モノマネサッカー」なのである。

ドイツが優勝すればドイツサッカーを真似。
ブラジルが優勝すればブラジルサッカーを真似。
スペインが優勝すればスペインサッカーを真似。

こうやってあっという間に時間が過ぎ去った。

そして思い返すと、結局いつまでたっても「日本サッカー」が誕生しなかった。

その時代その時代の世代の「自分たちのサッカー」が一時的に存在しただけである。

本田長友の世代では「スペインサッカー」の真似。

しかしながら、唯一日本サッカーが出来つつあったのが、中田英寿、宮本恒靖時代の「トルシエジャパン」である。だから世界ランク最高8位、常時16位まで行ったのである。

つまり、わが国はこのトルシエジャパン時代のサッカーに戻り、これを踏襲すればいいという結論になるわけだ。

フラット3、コンパクトな陣形、チーム守備、カウンター、そして中でもサッカーの原理原則や基本に忠実なプレー。

こういうものが日本人に合っているのである。

せっかく中田英寿はまだまだ現役でやれるほどの状態で生きているわけだ。
そのうち中田英寿を日本代表監督に招聘すべきだろう。

そうすれば、すべての世代の日本代表を経験し、そして得点し、さらに日本代表監督をも経験したという世界初のサッカー選手になるのではなかろうか?

ハリルホジッチ監督は次回以降でおそらく解任騒動に巻き込まれるはずだから、その後の監督は日本人、それももっとも世界ランクが上がった時の日本人選手の中からが一番いいだろう。松田選手はすでに亡くなってしまったから、中田英寿か、宮本恒靖ということになるだろうナア。


いやはや、「僕達のサッカー病」蔓延。

これほど我々の世代のサッカー人の夢だった「芝生のグランド」、これが整備されたら、今度は「良い芝生しか僕達のサッカーができない」なんて言い出す始末。



いやはや、世も末ですナ。





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by kikidoblog2 | 2016-10-01 09:56 | サッカー&スポーツ

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