梅野健教授の地震予測研究:いや〜〜「カオス健」さんも地震予知やっていたとは!?
2016年 10月 01日
さて、もう一つ忘れないうちにメモしておこうというものがこれである。
2016年09月30日 22:28 科学・テクノロジー コメント( 29 ) このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマーク - M7地震、1時間前に予知可能? 京大教授ら電離圏異常検知でM7地震、1時間前に予知可能? 京大教授ら電離圏異常検知で
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20160930000092
マグニチュード(M)7以上の大地震の発生を、1時間~20分前に予測できる可能性のある手法を、 京都大情報学研究科の梅野健教授や大学院生の岩田卓也さんのグループが開発した。
震源域の上空の電離圏の異常を、国土地理院のGPS連続観測網「ジオネット」のデータを用いて 検知する手法で、米国地球物理学連合の学会誌で30日発表する。
■有効性の検証が必要
梅野教授は「公開データのみを用いる手法であり、今後、有効性などの検証が進むことを期待したい」 としている。
2011年の東日本大震災(M9・0)では、本震の直前に震源域の上空60キロ以上に存在する電離圏で 電子数が異常に増えることが報告されている。ただし、ジオネットの一つの観測局のデータを用いて 解析しているために精度が不十分で、他の地震に適用しようとすると誤差も生じていた。
グループは、複数の観測局のデータを組み合わせて精度を格段に高める手法を新たに開発した。
新手法を用いると、東日本大震災の前後に周辺で起きたM7クラスの地震についても電離圏の異常を 捉えられる例があることを確かめた。
電離圏の異常が起こるメカニズムはよく分かっておらず、梅野教授は「今後、東日本大震災以外の 地震についても今回の手法を適用し、研究を進めていきたい」と話している。
この記事の内容はともかく、この記事で何に私が一番驚いたかというと、この京大教授の梅野健教授という名前である。
梅野健博士は、早稲田理工から東大理の大学院に進学、そして、そこでカオス理論で博士号をとった研究者だが、その博士論文で私の当時の論文
Kazumoto Iguchi, "Universal Algebraic Varieties and Ideals: Field Theory on Algebraic Varieties"(23Mあるのでダウンロードしないほうが良い)を引用してくれたのである。彼はその当時、この中にある「Ziglinの定理」というものを研究していたのである。
それで、以来研究上の友人関係が続き、いまも毎年年賀状を送り合う仲である。
彼のニックネームは「カオスケン」である。カオス研究者の健とカオス研究室の研を兼ねたものである。
非常に緻密な頭脳を持つ優秀な研究者である。また人柄が良い。
やはり大学は人柄の良さで取っている面はありますナ。
その梅野健君がいまは京大教授になっているとは?
私の記憶では、ずっと理化学研究所からさらに国立情報研究所に行って、そこでベンチャー企業を立ち上げたいたという話だったのだが。
Message from Scientists (41)梅野 健
そしてさらに1990年代に理化学研究所でも行われていた、「震源地上空の電離層異常の問題」を情報系の理論やネット解析などを通じて、地震予測の問題に着手していたとは?
実にありがたい。
私がここ数年やってきたような他国にある地磁気計測による地震電磁波の研究だけでは、震源地や震源域を予測するのは非常に困難なのである。時期的には2週間から2−3日前までに地震発生の大まかな予測はできたとしても、場所が特定できないのである。
そこで、世界各国の上空の電離層における異常電子密度のビッグデータによる解析から、その下の震源域が割り出せるのであれば、それはそれで一つのビジネスになる。
理想的には2〜3日前までの予測がよろしいわけだが、数時間前でも、1分前〜20秒前に比べたら遥かにましである。十分に高台に逃げることが可能だろう。
ぜひ梅野健教授のグループには頑張ってもらいたい。
活躍をお祈りいたします。
頑張ってネ!梅野健君。

by kikidoblog2 | 2016-10-01 10:35 | 地震・地震予知・噴火