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A Happy New Year HS Soccer!:「黒田監督の青森山田は蔦監督池田高校に匹敵する!?」   

みなさん、こんにちは。

いや〜昨日の高校サッカー選手権決勝は実に良い試合だった。結果は5−0で青森山田が圧勝したが、前橋育英も随所に持ち味を見せた。今大会のチーム全員のみなさんの努力に感謝したい。いい試合をありがとう。

青森山田初優勝
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大会結果
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第95回全国高校サッカー選手権 決勝ハイライト 前橋育英vs青森山田


応援団優勝は前橋育英のこの娘。
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結論から言えば、この試合では経験の差が出た。

やはりJユースの強豪チームと戦い、最終的に高円宮杯で優勝した経験はものすごいものがあったはずである。各チームにより様々なチームカラーがある。FC東京ユースのように、バルセロナ帰りの久保健英選手のいるようなチームとも戦って来たわけである。

それに対して前橋育英はまだまだ甘かった。前半の再三の好機にことごとく仕留められなかった。ここで決めていれば、おそらく結果は真逆になっただろう。フォワードの決定力がなさすぎた。

シュートまで持ち込むときにはアイデアがあるが、いざシュートの段階になるとまるで小学生のようにただ前に強く蹴るだけになってしまっていた。

相手を前におびき寄せるとか、一度逆にフェイントを入れて倒してからシュートするとか、キーパーを交わして決めるとか、ループシュートで頭超えするとか、股抜きするとか、さまざまなアイデアが必要だった。

そのためには、相手守備陣の圧力のかかる中でも自分の体勢を維持できるだけの強靭な下半身が必要だったが、どうもそういう意味ではまだまだだった。

一方、青森山田はJユースに入れなかった落第組がその反骨精神で大成長した。

青森山田・黒田監督、涙の理由

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<高校サッカー:青森山田5-0前橋育英>◇決勝◇9日◇埼玉

 青森山田の黒田剛監督(46)は、目に涙を浮かべながら会見場に入ってきた。

 悲願の初優勝ですが? と聞かれると、監督の口からせきを切ったように思いがあふれた。「16年12月の高円宮杯U-18チャンピオンシップから日がなく、コンディションもきつい中で、選手が最後の最後まで息つく暇もなく走り回ってくれたというのが正直な気持ち。昨年(準決勝敗退で)3位ということで、リベンジをしたいという合言葉で日本一を目指して頑張ってきました」

 94年に青森山田のコーチに就任し、翌95年に監督に昇格。就任1年目で同校を2度目の選手権に導き、97年度から20年連続で選手権出場を続けてきた。01年度にはブラジル人留学生のMFジュニーニョを擁して4強に入ったものの、それ以降の8年は1回戦負けが1回、2回戦負けが2回、3回戦負けが5回と全然、勝てなくなった。

 「3回戦の壁を乗り越えられない。『山田は、それ以上、行けないんじゃないか』と、いろいろなうわさも流れる中『これだけやってきた中で、なぜ勝てないんだろう』と悩む時期もあった」

 その中、元帝京監督の古沼貞雄氏、鹿児島実の松沢隆司総監督ら先輩指導者から「行く時は一気に行く、優勝するよ」と元気づけられ、吹っ切れた。そして7年前、現鹿島MF柴崎岳らを擁し、3回戦の壁を乗り越えると、決勝に進出し、準優勝した。選手には「強いかどうかは分からないけれど、自分たちのやってきたことを信じろ」と選手に言い続けた。大会後も、選手には日常生活から1分、1秒を無駄にしない生活をすることを言い続け、それを積み重ねてきたという。

 それでも、優勝には手が届かなかった。圧倒的にボールを支配していてもPK負けしたり、勝ちきれないこともあった。その中、11年から高体連の高校チームとJクラブのユースチーム、クラブチームが東西に分かれて行う、全国規模のリーグ戦「高円宮杯U-18プレミアリーグ」が開幕した。高校、クラブチームなど各地の強豪と6シーズン、戦う中でつかんだものがあった。

 「ポゼッションだけでも、カウンターだけでも勝てない。リスタート(を確実に決める)だけでも結果を出すことが出来ないのは重々、分かった。その中で出た結論が『全てできないと…全て、全国のトップレベルで磨きをかけないとダメだ』ということ

 この日の決勝戦は序盤、押し込まれた。準決勝で戦った東海大仰星の、ロングボールを蹴ってくるサッカーとは正反対の、パスを巧みにつなぎつつ選手も走る、人もボールも動く前橋育英のサッカーに後手に回った。ただ「準々、準決勝は速いサッカーをやられた。前橋育英はつなぐのがうまい。そのサッカーをやってきた」と、相手の戦い方は織り込み済みだった。そこで、得点王を狙っていたFW鳴海彰人(3年)に「得点王は意識せず、黒子に徹し、3年間で1番走ってこい」と言って、ピッチに送り出し、前線で徹底的にボールを追わせた。

 そうして前橋育英の猛攻を食い止め、エースのMF高橋壱晟(3年)が、前半23分に5戦連発となる先制ゴールを決めた。黒田監督は「山田はポゼッション、堅守速攻…いろいろな要素の中、成長させてきたトータルサッカー。鳴海を速く走らせようとして…いい形で出来た」と振り返った。

 進化したのは戦い方だけではない。選手の精神、人間性を育む土壌も醸成した。J1東京入りするGK広末陸(3年)、J2千葉入りする高橋らを擁するタレント軍団と言われるが、東京のユースに昇格できず、進学した広末をはじめ、Jクラブの下部組織などで悔しい思いをした生徒が、雪深くハンディのある青森山田の門をたたいてきた。その選手たちを、雪深い青森で精神面から鍛えた。

 「雪や(地元とは違う)生活環境の中で培うことはすごく大きい。確かに彼らはJリーグのユースに行けなかった、そういう評価を受けてしまった子たちのハングリー精神を理解、評価し、いい方向にベクトルを向ける。彼らが、そこに真摯(しんし)に向き合ったことが伸び率に伝わった。逆境、我慢があれば選手は工夫し、よく伸びる。サッカーができる時間が全てではない。サッカーができず雪かきをしてる時間、寒いと言いながら朝の食事当番、皿を洗ったりご飯を炊く時間が彼らを成長させた。その姿を見せられた彼らを評価したい

 そんな黒田監督も、一瞬、父の顔になった。涙の理由について聞かれ「私も(会場に)息子がいたものでしたから…涙が出た。私の22年の指導者人生で、この日を迎えられたことがうれしい」と、涙でぬれた目を輝かせた。【村上幸将】


さて、この記事にある
Jクラブの下部組織などで悔しい思いをした生徒が、雪深くハンディのある青森山田の門をたたいてきた。その選手たちを、雪深い青森で精神面から鍛えた。
の部分はある意味で衝撃的である。これにはいくつかの理由がある。

(あ)高校サッカー選手権で優勝するほどのチームですら、JユースのU18に入れないこと。→Jユースの眼力がいかに間違っているかということ。
(い)逆にJユースU18落選組でも高円宮杯で圧勝できるだけ伸び得ること。→たった3年、実質2年でも一日一秒の時間を無駄にしなければ、十分に他を追い越せること。
(う)土のグラウンド、雪のグラウンドでもまったくサッカー育成では影響がなかったこと。→むしろ寒さが心肺能力を高めている雰囲気すらあること。


こういったことを今回の青森山田が証明したと言えるだろう。

第95回全国高校サッカー選手権 決勝直前SP


また、昨年末のレアル・マドリードと鹿島アントラーズとの試合でも青森山田出身(準優勝経験者)の柴崎岳選手にも見るように、高校サッカー出身者の方が厳しい試合に大活躍する爆発能力を発揮する傾向があるということである。

岡崎慎司選手は滝川二。本田圭佑選手は石川星稜、浅野拓磨選手は四日市中央出身である。これらの選手は大試合に強く、大きな大会、大事な試合ほどいいプレーを見せる傾向にある。つまり、精神的に強い。

一方、Jユース出身には、柿谷選手はセレッソ大阪、宇佐美選手はガンバ大阪、槙野選手はサンフレッチェ広島。こうした選手は、技術的には天才的だが、大きな試合、大事な試合ほどふがいないプレーを見せる傾向にある。つまり、精神的に弱い。

日本サッカー協会はこうした情報をそれぞれの育成システムの「癖」としてデータとして蓄積して行くべきだろう。

黒田監督がいみじくも指摘しているように、この差は悪コンディションに打ち勝ってきたかいなかの差である。すべてがお膳立てされて、セレブの師弟であるかのようにサッカーエリートとして育ったクラブユースの選手たちと、貧乏サッカー部の土のグランドや過密な寮生活の中で培われた反骨精神を持つ選手たちとの差と言えるだろう。

しかしながら、同じクラブでもバルセロナやレアルなどではそれなりにいい選手も育っていることから、必ずしもクラブが悪いというわけではないだろう。どこかに決定的な要因があるはずである。

私が見る限りでは、それは
全寮制システム
にある。

箱根駅伝のいまや常連校になった青山学院大は全寮制である。日本のJクラブでもっとも成功しているのがサンフレッチェ広島ユースだが、ここも全寮制である。

同様に大学進学校の名門高校の大半が中高一貫の全寮制である。しかも男子校である。女人禁制である。

やはり一つのスポーツや学業を短い青春期で物にするには、親兄弟などの俗人世界や女人から一旦は切り離して、同じような志を持った若者だけでその種目に集中する場というものが必要なのである。

アメリカの教育システムが、イルミナティーの下僕だったジョン・デューイの教育学に傾倒し、男女共学の精神を広げた結果、ごく普通の白人以下のレベルに低下し、いまや公立学校は見るも無残な結果に陥ったことがそれを証明しているのである。

青春期には男女共学は男女双方にかならずしもいい結果を生まないのである。男女共学でもそういう面に留意さえすれば、それでもある程度は防げるが、やはり馬の人参は危険を伴う。

実際、世界を見れば、男女共学を行った国から崩壊していっている。が、これがジョン・デューイに課せられた使命だったようである。

流れとしてはそれが徐々に軍隊とか会社とかさまざまな男社会に反映しているが、それは新手のジョン・デューイ思想の蔓延にすぎないだろう。社会を弱体化したのである。

仮にサッカーで男女混成チームで戦うことになれば、どうなるか明らかだろう。スポーツでは男女混成がカオスに陥ることは明白であることがだれにも分かるのに、軍隊や会社などでそれを強いるというのは明らかにおかしいわけである。これは男女差別とは異次元のものである。

さて、ちょっと話が脱線したが、要するに男子の場合、あるいは、女子の場合、青春期のある時期は男女別教育にしてしかも全寮制で徹底して集中的に教育するほうが、甘っちょろい男女共学という美辞麗句に散りばめられた偽物教育よりはずっと効果的なのである。

実際に、ジダンを生んだフランスの国立サッカー学校も全寮制の男子のみだし、イギリスのエリート校もみなそうなのだからナア。要するに、わかっている人はちゃんとその理屈を分かっていらっしゃるわけですナ。

性の差がまだ出ない小学校くらいまでは男女共学でも結構だが、同じくサッカーでもどんなスポーツでも男女混成でも結構なのだが、思春期に入る中高時代には男女別教育が必須なのである。そうしないと、非力な女性に合わせなければならなくなり、その分男子がスポイルされるのである。

そろそろ世界がこういう現実の歴史を再認識すべきときではなかろうか?

とまあ、俺個人はそう考えるわけですナ。

ここ徳島や阿南でもそうだが、小中高サッカーは親が毎回送迎しなければ試合もできない。それほどまでに学校のクラブスポーツが親に頼っているわけだ。しかしながら、これではサッカーの育成に親がいっしょになって邪魔になるという面もある。チームの各選手がそれぞれ飯を食ってきたり来なかったり、家庭の事情でさまざまのコンディションでは、チームが成熟しない。このあたりが集団スポーツの難しいところである。いずれにせよ、こういうシステムには自ずと限界があるわけである。

徳島では最近では徳島市立と鳴門が最強だが、やはり全国の1,2回戦止まりが良いところであろう。


さて最後に、もう一度、今回の青森山田に関してメモしておくと、今回の青森山田は、高校野球で言えば、かつての蔦監督の池田高校が登場した時に匹敵する衝撃を各チームに与えたのではないかと思う。

池田高校と言えば、やまびこ打線。水野投手の豪速球である。それを裏で支えたのが、徹底的な筋トレ。そう、高校野球にボディービル的な筋力強化を持ち込んだのが池田高校野球部だった。今では常識となったが、胸板が厚く、見るからに頑健な肉体で、甲子園で打ちまくったのがこの蔦監督の池田高校だった。

私の印象では、今回の黒田監督の青森山田高校サッカー部はこの蔦監督の徳島池田高校野球部に匹敵すると思う。肉体において、青森山田と前橋育英とでは大人と子供の差があったのである。

だいたいGKがゴールキックして相手のペナルティーエリアまで飛ぶというのは、プロでもなかなかいない。ワールドクラスである。それもピンポイントでフォワードの頭に合わせられる。ワールドカップ優勝した当時のイタリアのGKブッフォンとか、ゾフとか、そういうレベルにある。普通の高校生ならセンターラインをちょっと超える程度であるが、それでもどこへ行くか蹴ってみなければわからない。そういう感じである。

また、フォワードも相手守備陣のチャージを受けながらもほとんどバランスを崩さない。鳴海選手は日に1500回の腹筋とか、クリロナレベルの筋トレをしているようだ。あのボレーシュートはワールドクラス、アルゼンチンのテベス並であった。

これまで
サッカー選手だけがどうして高校生時代に世界トップレベルを目指さないのか
とかつて野洲高校を率いて優勝した山本監督が言ってきたのだったが、今回の青森山田サッカー部が初めてこの基準をクリアしたのではなかろうか?

柔道、空手、体操、スケート、野球、スキー、陸上、

などなど他のどの種目も日本代表になるには、そのカテゴリーでNo.1にならないと代表権が得られない。だから、高校生と言えども常に世界記録や世界一を目指す。

ところが、サッカーだけが、オリンピックU23の制限のせいか、育成も遅れがちで生温かった。

それが今回の青森山田だけは全く違ったわけである。だから、並み居るJユースすら撃破した。この意味では、Jユースは後手に回った感がある。緩かった、ぬるかったのである。

というわけで、かつて蔦監督の池田時代が長く続いたように、今後黒田監督の青森山田時代の始まりと見るべきだろう。

黒田監督の青森山田に期待したい。

今度はどこがこの青森山田に土つけるかであろうナア。

いずれにせよ、サッカー部の指導育成は人生をそれにかけなければ不可能だ。そういう意味で、各学校の指導者や関係者や親御さんたちの努力や自己犠牲には頭が下がる思いである。

ご苦労様でした。いい試合をどうもありがとうございました。

では、また来年を楽しみにしています。


おまけ:
女子サッカー
2017.1.8 高校女子サッカー選手権決勝 十文字高校vs大商学園高校
う〜〜ん、これでは北朝鮮には勝てないナア。身体能力が女の子すぎる。




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by kikidoblog2 | 2017-01-10 09:31 | サッカー&スポーツ

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