みなさん、こんにちは。
さて、先日我が国を襲撃中の「三つ子台風」「四つ子台風」のことはメモしておいた。以下のものである。
さて、その台風はいまどうなっているか?
というと、実に奇妙な動きをしている。
というより、我々理論物理学者からすると、実に興味深い運動をしているようである。
なんと真ん中の台風(リアル台風)と一番右の台風(たぶんバーチャル台風)がペアになり、左回転して踊り出したようである。以下のものである。





こんなの初めて見たが、実に面白い。
物性物理学では、ちょうど昨年のノーベル物理学賞受賞者の、サウレスとコスタリッツの「トポロジカル転移」という現象があるが、これは、正負のチャージを持つ2つの渦が長距離相互作用のせいでペアリングを起こして相転移を起こす、というものである。
もちろんこの現象は目に見えない2次元世界の中でのお話である。
上の超マクロの地球規模の球面上の渦巻きである台風が、ミクロ世界と同じようなペアリングをするというところは実に物理学としては面白い。
つまり、赤い低気圧だけで生じた台風(正の台風=現実の台風)と、青い高気圧で生じた台風(負の台風=仮想的台風)とが、長距離引力(たぶんlog r)で相互作用してお互いに引き合い、それによって、近づいて回転するという現象を起こしたと見ることができる。
はたして、この後はいかに?
もしこれが正負が打ち消し合って零=中性になり、対消滅したとすれば、これまた実に面白い気象現象といえるだろう。
今後を観察して行こう。
ところで、たまたまメキシコの東太平洋の気象をみたら、なんとそこにも「三つ子台風」ができていた。以下のものである。

偏西風のせいで、こういう台風はメキシコには上陸しないらしい。
はたして、この三つ子台風はハワイを襲うか?
いったいこういう現象はどうして起こるのだろうか?
エイリアンが気象操作して喜んでいるのだろうか?
あるいは、米海軍秘密部隊がHAARPで気象操作しているのだろうか?
いずれにせよ、最近の気象は実に興味深い。が、それで家を失う分にはたまったものではない。
ところで、その昔、私が阪大で生まれてはじめて書いた英語の論文は、こういう地球大気のような球面上に存在するN個の渦の統計力学の理論だった。
ある特定の温度で現象ががらりと変わるのである。
ひょっとしたら、そのような“渦”の臨界温度に近づいているために、台風ができた時の現象がかなり変化したという可能性もある。
そして、その理論と等価なものが、量子ホール効果の波動関数であり、これはすでにノーベル物理学賞をラフリンが取ったものである。
頼む、台風よ、対消滅してくれ!
もしそうなれば、新現象の発見である。
いやはや、世も末ですナ。