2017年ノーベル生理医学賞「概日周期の制御機構発見」の番外編:ロン・コノプカこそ真の発見者だった!   

みなさん、こんにちは。

今日はちょっと図書館に本をとりに行っていたのではここにメモする時間が無かった。

さて、昨日のノーベル生理医学賞の「時間生物学」の話だが、これはある意味では、ノーベル賞財団が『やかした』と言えるかもしれないですナ。

というのは、今回「概日周期の遺伝子制御の発見」で受賞したわけだが、実はこの3人はかなり後からこの分野に入って来た新参者だったのである。

最初にこの分野を創始したのは、いうまでもなく、

シーモア・ベンザー博士と彼の弟子のコノプカ博士である。
朝鮮サッカー選手、「独島もFIFAもJOCもわれわれの領土」とのメッセージ!?


この話はジョナサン・ワイナーの以下の本に出ているので、一応メモしておこう。
時間・愛・記憶の遺伝子を求めて―生物学者シーモア・ベンザーの軌跡 単行本 – 2001/12
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残念ながら,今我々があまり知らないのは、「行動の遺伝子」というものである。別に何かの障害を持っていない普通の人であったとしても、この遺伝子のあるなしによって行動に差がつくということを行う遺伝子の研究である。これは非常に難しい。古典的な研究は、ショウジョウバエで行われた。こういった話は以下のものが面白い。

いま「時間遺伝子」で飯食っている人は、ベンザー博士の天才のおかげである。


ベンザー
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の研究室のロナルド・クノプカ博士が、ショウジョウバエを研究して、
蠅にも時間、愛情、記憶を司る遺伝子がある
と証明したのである。

この話は以下の本にもあるようだ。
分子生物学の軌跡―パイオニアたちのひらめきの瞬間
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そうして、蠅にも愛情があり、記憶があり、時間の遺伝子があり、

「蠅で言えることは人間でもいえる」

という分子生物学の格言を唱えた。

ところで、当時1960年代から1970年代のアメリカは、いまの日本のように、パヨク全盛の時代だった。

「人間は遺伝子で決まるのではなく、生きた環境で決まるのだ」
という似非理論を熱烈に信じるものが多く、そういう新手の論説に飛びついたマスコミが、ベンザーとコノプカに攻撃したのである。

そのため、コノプカ博士は生物学者であることができなくなり、大学をやめて、まったくのフリーの生物学者になってしまったのである。

まだ現存していれば、と思ったが、2015年に心臓発作でお亡くなりになったようである。

ベンザー博士もちょっと前の2007年にご逝去された。

今回ノーベル賞をもらったRosbash博士のコノプカ博士への追悼文を見つけたので、それもメモしておこう。以下のものである。
Ronald J. Konopka (1947–2015)
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Ron Konopka was found dead of an apparent heart attack in his Pasadena, CA home on February 14, 2015. Konopka was my close contemporary and began graduate school at Caltech in 1967. He published his thesis work along with his mentor Seymour Benzer in what is perhaps the single most influential paper in circadian rhythms (Konopka and Benzer, PNAS 68, 2112–2116). The field has spent much of the subsequent 45 years deciphering the meaning and validating (over and over again) the importance of this Rosetta stone.


ところで、このベンザーとコノプカの最初の論文がこれ。
Clock Mutants of Drosophila melanogaster


上のラシュバシュの追悼文の中にもあるが、フリーになって高校生の家庭教師をして生計を立てているころもっともその影響を受けたのが、今回ノーベル賞をもらったジェフ・ホールであるという。

結局、本当の発見者はアカデミズムからたたき出され、その影響を受けたやりくり上手、立ち回りのうまいユダヤ系の学者さんたちが、最終的にこの研究を完成させてノーベル賞をもらったのである。

とまあ、そんな感じですナ。


ベンザーは生粋のドイツ人、コノプカはアメリカ人。


いずれにせよ、この二人が、時間を決める遺伝子があるということを発見しなければ、その制御機構を突き止めることも無かった。


まあ、ノーベル賞では良くあるやり方だが、ユダヤ人以外の発見者がいた場合は、当の発見者が死ぬまで待って、その後で、その分野を引き継いだユダヤ人にノーベル賞を与える。

今回のものは、そんな常套手段的な感じがしますナ。


ベンザーおよびコノプカにノーベル賞をやらなかったというのは、本当にあり得ない話なんですナ。

いや〜〜、痛い。

両博士のご冥福をお祈り致します。合掌。




いやはや、世も末ですナ。




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by kikidoblog2 | 2017-10-03 15:24 | 普通のサイエンス

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