FIFA U17 W杯準々決勝残り!:独ブ対決はブラジル大逆転、西イラン対決はスペイン圧勝!
2017年 10月 23日
いよいよFIFAU17W杯も大詰め、準々決勝の残り2試合が行われたようだ。
Match 46: Germany v Brazil – FIFA U-17 World Cup India 2017→1-2でブラジル
まさに死闘。
ドイツがPKで先制。しかしブラジルが追いつき、最後にワールドクラスのミドルシュートで突き放した。
我が国代表とはスピード感が違う。
Jユースの選手と比べたら下手くそでも、この躍動感やスピード感のあるのは、やはり高校総体や高校選手権である。
高円宮杯にはそういう躍動感やスピード感はない。
この意味でも、久保健英選手は青森山田に転校すべきであると思う。FC東京のユースでは潰されごく普通の選手になるだけだろう。せいぜいG大阪の宇佐美やC大阪の柿谷程度で終わるだろう。
決して中田英寿(韮崎)や本田圭佑(星稜)や柴崎岳(青森山田)にはなれない。
Match 47: Spain v Iran – FIFA U-17 World Cup India 2017→3-1でスペイン
やっぱりスペインは強かった。
まったく「自分たちのサッカー」を崩さない。
つなぐサッカー、ボール支配率で上回るサッカーである。
我が国が予選リーグの初戦のホンジュラス戦では、このスペインのようなサッカーをして6−1で勝利したが、二戦目のフランス戦にはもう疲れが出て、まったくつなぐサッカーができなかった。そして三戦目のニューカレドニア戦では、まったく別チームになり、引き分けるのが精一杯だった。
体力なさすぎ。
いくらうまくても体力がなければ、W杯で生き残ることは100%不可能だ。
なぜならW杯はどの年齢でも優勝するには1ヶ月の戦いが待つ。
一ヶ月も禁欲に耐えられるか?
一ヶ月の共同生活に耐えられるか?
いまのJユース出身者には不可能だろう。
子供の頃から試合は親が送迎し、一試合ごとに家に帰ってママのつくったご飯を食べる。
これじゃあ無理。
一方スペインの子はかつての久保健英がそうであったように、13〜14歳で親元から離れて全寮制の共同生活だ。何年も仲間たちと共同生活してきたそういう気心の知れた選手たちだからこそ、絶妙のコンビネーションプレーやボール支配をすることができる。
我が国では、サッカーの強豪校の青森山田がそういう全寮制であるにすぎない。
やはりまたそろそろJユースの育成システムも抜本的にやり直すべき時が来たと思う。
さて今や我が国以上にアジアサッカーの代表格になったイラン、イランの1点のもぎ取り方もすごかった。
トップに当てて、そのトップが競り勝ち、もう一人のトップに頭で合わせる。それを信じて走り込んだもう一人が頭やボレーで決める。
まさにイランサッカーである。アリ・ダエイの伝統が生きている。
なかなかアジアでこのサッカーに勝つのは難しいのではないか?イランはあなどれない。
いずれにせよ、どうして我が国の選手にはこういう必死さが出てこないのかネエ?謎である。
試合中ヘラヘラしていたり、負けているのに悠然と水飲んだり、余裕すぎる。
そこは状況に合わせて臨機応変に必死でやるべきだ。
かつてブラジルの闘将ドゥンガが彼の著書「セレソン」(1998)でそういうことを口酸っぱくして言っていたが、それがまったく忘れ去られてしまったかのようだ。
昔正しいことは今も正しい。時代で年月でその内容が変わることはない。時代とともにそれまでの正しさの蓄積の上にさらなる新しい正しさが上積みされていくべきものである。
しかし、どうも日本人には上書きされると前の下書きが消えてしまうというような欠点が見える。
だから、40年前にウィングプレーと言われて教え込まれた技術は、もうパス回し主流のサッカーになると教えられない。だから、自分の横を後ろからオーバーラップした選手がいても
オーバーラップした選手は必ず使え
と我々が教え込まれた技の鉄則は、簡単に無視して自分の自己中プレーのためのダミーにしてしまう。
しかし、常にボール支配率では相手を圧倒するスペインは、このイラン戦の3点目に見るように、
このウィングプレーをきちんとやって美しい、教科書通りの得点シーンを作っている。
4,5人のコンビネーションによるウィングプレー
MFからトップ右にボールをふる
トップ右の外をサイドハーフがオーバーラップする
右トップがオーバーラップ選手を使う
もう一人のトップがオープンワイドから中にくの字に切り込み
相手DFの前で合わせる
ゴール
実に美しいサッカーである。昔のドイツやオランダのトータルサッカーの時代のウィングプレーである。
ヨハン・クライフはこのプレーを空中のダイレクトボレーで行った。
が、いまではゴロだ。それでも美しい。
これは4人組のコンビネーションプレーというものである。
これは4人の中の誰一人自分のパート=自分の役目を成功させないと最後までいかない。
私も高校時代によく練習したものだ。
我が国では、我々の世代の監督が中学校あたりでこういうプレーを教えて、中学校のサッカーではこういうプレーもしばしばある。が、高校、大学、Jユース、Jリーグと進むに連れて、こういうプレーは影を潜める。
どうして?
これは基本プレーの1つにすぎないから年代に無関係に成立できなければおかしい。
こういうプレーもなかなかできなくなってしまう。相手が強くなればますますできなくなってしまう。これでは困る。
スペインは日本がよくやるようなパス回しやバックパスもすることはあるが、いつもワンパターンでそればかりというわけではない。カウンターもあれば、こういうきれいな基本通りのウィングプレーもする。
いやはや、いったいどうすれば我が国のサッカーはレベルアップしていくのだろうか?
いやはや、世も末ですナ。
おまけ:
準決勝は次の通り。

by kikidoblog2 | 2017-10-23 11:16 | サッカーU17W杯2017