偉業:数学者望月新一博士のABC予想の証明ついに認知される!
2017年 12月 16日
反日左翼通称パヨクの代表的新聞紙になったアカヒ新聞。しかし、もともと権威主義者なのか、あるいはもともと唯物主義者なのか、たぶん後者なんだろう。
が、この朝日新聞は、ノーベル賞やフィールズ賞のような国際的に名の知られた表彰については、我が国の新聞の中でも一番食いつきが早い。
というわけで、ノーベル賞受賞の公表とか、数学のフィールズ賞の受賞とか、結構リアルタイムで取り上げることが多い。
そんなわけで、今回も京都大学教授の望月新一博士の偉業「ABC予想の証明」の確証のニュースも朝日新聞が一番早そうだ。以下のものである。
数学の超難問・ABC予想を「証明」 望月京大教授
長年にわたって世界中の研究者を悩ませてきた数学の超難問「ABC予想」を証明したとする論文が、国際的な数学の専門誌に掲載される見通しになった。執筆者は、京都大数理解析研究所の望月新一教授(48)。今世紀の数学史上、最大級の業績とされ、論文が掲載されることで、その内容の正しさが正式に認められることになる。
望月さんは2012年8月、論文を自身のホームページ上で公開。数理研が発行する数学誌「PRIMS」が、外部の複数の数学者に依頼し、間違いがないか確かめる「査読」を続けてきた。同誌は研究者の間で一流の国際数学誌と評価されており、早ければ来年1月にも掲載が決まる。
数学の難問の証明としては、「フェルマーの最終定理」(1995年解決)や「ポアンカレ予想」(2006年解決)などと並ぶ快挙。数学のノーベル賞といわれる「フィールズ賞」が与えられた過去の業績に匹敵するという。
ABC予想は、整数の性質を研究する「整数論」の難問で、85年に提示された。整数aと整数bの和がcのときに成立する特別な関係を示す。
望月さんは、19歳で名門・米…
まあ、簡単にこの望月新一教授のことを表現すれば、
神に選ばれし者
という感じでしょうか。
将棋の羽生さんとか、藤井四段とか、そういう人たちと似た感じの人ということになる。
昔で言えば、岡潔や南方熊楠。
本人の努力ももちろんだが、もともとの器のスケールが違う。
とにかく、偉業の追試、追証明が完了し、その正しさが認められたというのは素晴らしい。
ところで、私のここのブログ1にはいくつか望月先生のことをメモしてきたので、一応この際再掲しておこう。以下のものである。
2012-09-19 21:47京大望月新一博士「ABC予想」解決の快挙!:でももっと快挙はその出身高校の方だヨ!
2012-09-21 21:27「abc予想」とはこんなもの?:望月新一博士はグロタンディークの後継者のようだ!?
2013-02-08 15:43YouTube講義の時代!?:いい講義とはかくあるべし?
2014-05-26 10:22湯川秀樹の「素領域の理論」を完成した男、保江邦夫博士:2つの「大どんでん返し」!?
2014-05-28 18:55「宇宙は不連続」と考えた人たち:リーマン、湯川、岡潔、グロタンディーク、保江。
リアル天才。
若い頃ワイルドな欧米の世界最高峰に武者修行に行く。
そして何かを見出したら母国日本に戻りそこで頑張る。
これが人間という生き物の一つの出世パターン、成功パターンですナ。
いずれにせよ、もし望月新一教授が東京大学に戻ったとしたら、こういう偉業は忙しすぎて無理だっただろう。
いまは雪江明彦教授(私と同じ高校の同級生だった)も京大に移ったし、京大は再びまた数学のメッカに返り咲いている観がありますナ。
もっともそんな京都も害人旅行者だらけでうるさくなって困るのかもしれないが。
我々学者は人様と話すより、一人で閉じこもり、思索や勉強や読書に明け暮れるから、生活費と場所と時間さえれば、どこでもできるわけである。
問題は、研究者の生活費が、教育や指導に対する対価としてしか得られないというのが、世界中のアカデミズムを退化させてきた原因なのである。
翻って、その昔のガリレオ、ニュートン、オイラー、フェルマーの時代、学者はモーツアルトのように王族の金持ちのパトロンがいた。
金持ちが一級の学者に資金援助し、研究を続けさせた。だから、進歩したわけだ。
教育は第一線を退いたもの、あるいは、第一級の才能には恵まれないもの、そういうものが行うべきもので、最高の才能に生活費の代わりに教育の義務を置けば、才能は時間を浪費しているうちにあっという間に最高の円熟期を逸してしまう。
サッカーで言えば、メッシやロナウドに毎日後進や子供の指導に明け暮れさせたら、指導者で終わってしまうわけだ。
トップにはトップの仕事があるわけだから、それをできるように環境を整えなければならない。
むろん、プロサッカーではプロリーグがあって、そういうものができているわけだ。
が、科学分野ではこういう部分が非常に曖昧で、一流の学者にも学生指導させたり、研究と教育というように両方を一人に義務付ける。これが我が国の文部省時代からの名残で、文科省になってもまったくそのままである。
一流プレーヤーが良い指導者になれるとは限らないように、天才科学者が良い教育者になれるとは限らない。元来、研究と教育は別のカテゴリーに入るものなのである。
しかし、一流がいなければ、そもそもその分野を教育する理由もなくなるだろう。偽物が適当に教育の真似事をすればいいからだ。昔のサッカー界のようものである。
我が国では、終戦後、運良くノーベル賞でもとると、別格扱いになり、その人を称える特別の研究所をあてがわれ、受賞者本人はその研究所の所長となって、自由ができる反面、所員管理で忙しくなる。
仁科芳雄博士と理化学研究所(東大)
湯川秀樹博士と基礎物理学研究所(京大)
朝永振一郎博士と東京教育大(筑波大の前身)
福井謙一博士と基礎化学研究所(京大)
小出裕章博士とカミオカンデ(東大)
梶田隆章博士とスーパーカミオカンデ(東大)
山中伸弥博士とiPS細胞研究所(京大)
こういう流れからすると、望月新一さんの場合はどうなるのだろうか?
京大の数理解析研究所がそういう扱いになるのだろうか?
もっともすぐにハーバード大とか、プリンストン大とか、スタンフォード大とかからオファーが来て破格の扱いで望月博士を横取りされてしまうかもナ。
いずれにせよ、次の最大のテーマ、「リーマン予想の解決」に向かってほしいものである。
望月新一さんなら可能なのでは?
すでに我が国の宝ですナ。
頑張れ、日本。
おまけ:
ところで、この望月新一教授には別にブログなるものがあるようだ。以下のものである。
新一の「心の一票」保江先生のブログもそうだが、個性的で面白い。
ちょっと話が変わりますが、一昨年(=2015年!)の10~11月、静岡の親戚を訪問した際に、静岡県の「望月」と長野県の「望月」の関係や違いがちょっとだけ話題になりました。私も、(ちょっと意外なことに)先方も、このようなテーマについては深い専門的な知識があるわけではありませんが、長野県は「望月町」という場所が(少なくとも昔は)ありましたし、長野県の方が古いという話をしました。一方、長野県での苗字別の人口分布をネットで調べると、「望月」は何と92位(!)であるのに対し、静岡県でも山梨県でも(静岡県の場合は、「鈴木」、「渡辺」、山梨県の場合は「渡辺」、「小林」に次いで)堂々の3位であるだけでなく、(私の親戚が代々暮らしている)静岡市では、(ダントツ!)1位なんですね。実際、現地へ行ってみると、初めての人は驚くと思いますが、すごい「望月王国」なんです。
。。。。。
後、もう一つ以前から強く感じていることを書きますと、自分の数学の研究(=遠アーベル幾何や宇宙際タイヒミューラー理論等)を巡る社会的な状況、つまり、国内外の多くの数学、あるいは数論幾何の研究者から見て、
数名の協力者で固めて築き上げた
「隔絶した異世界=一種のガラパゴス」
を私が数十年掛けて創り上げたことも、上記の静岡県の「望月」を巡る状況を生じさせたのと、同系統の遺伝的傾向・志向の現れではないでしょうか。

by kikidoblog2 | 2017-12-16 11:09 | 普通のサイエンス