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ドラマ「天才を育てた女房」を見たが?:1951年までのお話だった。おもしろいのはその後だぞ!2   

(つづき)


その最初が、
「春宵十話」(1963)
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(たぶんこのタイトルは漱石の夢十話からとったのだろうが、後に黒澤明監督の映画にも影響したのであろう。)
であった。これは毎日出版文化賞をとった。

この本から始まる十数年を「晩年前期」、「晩年中期」、「晩年後期」と数年づつに分けて岡潔思想研究会の横山賢治さんは区分し研究している。

前期では、主に「日本人の情緒」の問題がテーマになる。
中期では、主に「日本の未来」の問題がテーマになる。
そして、
後期では、主に「霊的世界」の問題がテーマになる。

特に面白いのが、晩年後期のいまでいうところの「スピリチュアリズム」の話なのである。

このテーマが語られているのが、

「春雨の曲」

という未公開の本である。というより、いまでいう「β版」である。
一応タイプされているが、まだ著者が出版を認めていないという本。Wikiでは「私家版」とある。

私は岡潔の数学論文10通(仏語)もすべてダウンロードしたりしてもらってもっている。また、多くの本もアマゾンで集めて持っている。

さらに最後の「春雨の曲」もコピーさせてもらっている。

理論物理学者の保江邦夫博士にも謹呈した。だから、この内容は一部保江師範の最近の本にも引用されている。


ところが、この本は家族が出版許可しない。だから、いまだに普通の書物にはなっていないというわけである。ご遺族が出版を許さないのである。まあ、あまりに「とんでもない」話が満載だからである。

それゆえ、もしこんな本が出版されてしまえば、岡潔の数学的業績の名誉を失いかねないのではないかと家族が恐れたわけだ。
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まあ、20年30年前にらいざしらず、いまではそんなことはなく、むしろ真逆かも知れないわけである。
時代は大分変わっている。


いずれにせよ、40年以上前に岡潔先生が鳴らした警鐘のほとんどすべてがいま現在そっくりそのまま成り立っているのである。

日本民族の危機
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今ごろになって、我々は欧米や北朝鮮や南朝鮮や中国からの精神的文化的経済的侵略に危機感を持ち始めた。

しかし、岡潔博士は少なくとも50年前から、我々日本人の危機を提言してきたのである。

そんな話のわずかなものを拙ブログ1に大分前にメモしていたから、再掲しておこう。以下のものである。

カテゴリ:岡潔・数学・情緒( 13 )

岡潔 「民族の危機」(1969):俺「民族の終焉」(2014)、もはや手遅れだナ!」


中でも「戦前の日本式教育」の良さをないがしろにし、「戦後のアメリカ式教育」の礼賛は、ことごとく間違っていると主張し続けたのである。

その代表作がこれだった。

紫の火花
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この本を横山さんが解説したのがこれ。
岡潔はこれについて、以下のような講演を行っている。

【7】義務教育のあり方 (だれが教えるかが大事)

私は終戦後、奈良の女子大(拙注:奈良女子大学)で数学を教えていた。そうすると、そのうちまったく教えようのない学生ばかりが私の教室へ来るようになった。私はおどろいて、いったいどのような教育をしているのだろうと、それまでの教育を調べはじめた。

まず驚かされたのは、児童、生徒、学生の顔がまったく変わってしまっていることである。私は悪い教育の恐ろしさをつくづく知った。新学制をよく調べて、著書「春宵十話」を書き、教育は根本から変えなければならないといった。

そうすると文部事務次官(当時)の内藤誉三郎さん
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が新聞に、新教育を根本から変える必要はないと書き、今の教育は
デューイ
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の教育学に基づいているといった。私はその反論を新聞に書くとともに、すぐデューイの教育学を調べた。そして何がデューイの教育学に欠けているか、したがって義務教育は如何にあるべきかを著書「紫の火花」に書いた。(拙注:日本の大学人にはいまだにデューイの教育学は良いと思っている馬鹿者が支配しているのである。)

その後文部省に行くと、内藤さんは私をはげまして「義務教育に要望するところをできるだけ手短かに書いて私あてに送れ。教育審議会に出すから」といった。私は次の3ヶ条を要望した。

1. 人の中心は情緒である。そのつもりで教育すること。
2. 大脳前頭葉を充分使わせること。
3. 小我を抑止すことを教えること。


この要望がその後どうなったか、杳(よう)として私は知らない。

その後、参議院議員になった内藤さんが私の宅に見えた。
そして
教育は根本から変えなければならないが、官庁の対面ということもあり、どうすればよいのだろう
といった。

私は
義務教育は、何を教えるかということよりも、誰が教えるかということの方がはるかに大事だ
といった。これが一番主なことであるが、その他色々話した。その献策がどうなっているか、いちど内藤さんに会って聞いて見ようと思っている。



義務教育は12歳以下の児童への教育。

脳の臨界期前の教育である。

ここで、日本人ではない人、狂信的な人、変態の人に教えられると、それが脳に住み着いてしまうのである。

英語圏の先生に教えられると→脳が英語脳になってしまう→鈴虫の音が雑音になる→日本人の情緒が育たない→人種的遺伝的には日本人だが、心は外人になる。

狂信的な左翼思想の先生に教えられると→反日運動家に育つ→勉強より騒ぐことが優先される。

性的変態に教えられると→脳が変態脳になる→性風俗に異常にこだわるようになる。


とまあ、そういうわけで、岡潔はとにかく12歳までは教育者の方が大事だと考えた。教育の中身ではない。

だから、やはり12歳までは英米人ではなく、英語のできる日本人が教えるべきなのである。


英米人ならだれでも英語くらいは話せる。しかしだれもがレベルの高い英米人ではない。大半が日本女性、寿司女の陰部が「目当て」である。

従順でかわいい寿司女をいたぶりたい。それだけのために英語の先生になる。そういうものが大半である。

これは、侵略者遺伝子というもので、西洋人の歴史上そうやって世界支配してきた子孫だから、それが自然なのである。実際、犯してできた子の顔が全部相手より自分に似てくるわけだ。面白いに違いない。それほど血が濃い。


まあ、しかしもはや手遅れ。

40年前の岡潔の警鐘はだれも聞かなかった。聴いたとしてもすぐ忘れ去られた。


数学的業績は、その上に建築するから、岡潔の業績はいまも土台として残っている。が、他の考え方や意見や提言の類はまったく影響を与えなかったのである。


この意味では、いまこそ、岡潔の警鐘や提言と向かい合うべき時なのかもしれませんナア。


まあ、俺は

て・お・く・れ

手遅れだろうと見ているがナ。


最後におまけとして、ドラマにも出てきた湯川秀樹と朝永振一郎。

あの〜〜、湯川秀樹博士ってそんなに背が高くないんだよ。朝永振一郎博士も小柄だった。日本人の物理学者は小柄の人が多い。甲元眞人博士が185cmくらいの大柄な博士なんですナ。

ドラマではやたらでかいやつだったが、それは嘘だ。


また、ドラマの最後に「多変数複素関数論はいまだに完成していない」というような言葉が出てきたが、それも嘘。真の意味で完成というものは数学にはありえない。もしも数学が完成したら、それで終焉である。やることがない。

この意味では、完成してはいないのだが、「多変数複素関数論」はその後大きく進歩した。

一番の牽引車、これまた日本人の小平邦彦博士だった。日本人初のフィールズ賞の受賞者。

小平邦彦
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今知ったんだが、晩年は山梨県甲府市に住んでいたんですナ。

さらに、
ジーゲル
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というドイツ人の数学者。このジーゲルは3冊ほど多変数複素関数論を書いている。私もこれをアメリカで読んで勉強したものである。

さらには、ソリトンを現代数学化した
佐藤幹夫博士
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も入るだろうか。

佐藤幹夫博士もどちらかと言えば、岡潔タイプだったのかもしれない。

更に忘れてはいけないのが、ロシア人の
I. M. Gelfand博士。
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現代数学界の巨人。およそ現代数学のほとんどすべてに顔を出す強者である。また、この人は他人の論文を引用しないので有名で、この人の論文に引用されるのが多くの数学者の夢、願いだったという。

そして、さらに私と幾つか共著の論文を作り、多変数複素関数論における超幾何関数、つまり多変数超幾何関数を大幅に拡張することに成功し、それを「多変数準超幾何関数」と命名した数学者、
青本和彦博士。
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私の友人である。

この私と共著の数学論文は、晩年のゲルファント先生の論文に唯一引用された日本人の論文である。青本先生も大喜びしていたんだヨ。俺は物理学者だからどうでもよかったが。


というようなわけで、最後の一文はちょっと間違っていたどころか、大きく間違っていたんですナ。

「その後、岡潔の築いた多変数複素関数論は世界の人たちの手により大きく花開いた」

の方が良かったんじゃないかネ。




いやはや、世も末ですナ。





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by kikidoblog2 | 2018-02-27 10:48 | 岡潔・数学・情緒

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