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駅伝の青学、研究でも5位入賞!:1位学習院、2位東大、3位京大、4位甲南大、5位青学、私学大健闘!   

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(昔は女たらしの大学だったはずなんだが?)



みなさん、こんにちは。

いや〜〜、この記事は意外に興味深かったので、一応ここにもメモしておこう。以下のものである。

2018年04月02日 14時39分
科学誌の論文掲載率、国内1位学習院…東大2位

 主要科学誌に掲載された日本の論文数は昨年も引き続き減少傾向にあったとする分析結果を、英科学誌ネイチャーが発表した。

 2017年にネイチャーや米科学誌サイエンスを含む主要68誌に載った論文数は前年比で3・7%減少。12~16年の5年間も19・6%減っており、減少に歯止めがかかっていない。

 3月22日の特集号によると、68誌に載った全論文のうち、日本の論文が占める割合は12年の9・2%から、17年は8・6%に低下。順位は米中英に続く4位だった。

 一方、各大学で発表された論文総数に占める主要誌掲載論文の割合をみると、国内では学習院大がトップになった。2位は東京大、4位は京都大だったが、3位には甲南大、5位には青山学院大が入り、ネイチャー誌は「(理系研究者が少ない)小規模な大学が輝いている」と指摘した。主要誌に載った論文数自体は東大、京大などが多かった。


まあ、イギリスのロンドンと日本の東京とは9時間ほどの時差がある。だから、この記事そのものが「エイプリルフール」ネタではないことを祈るとして、これを信じれば、なんと東大神話がまた一つ崩壊した。

これまで、何十年もの長きに渡り、東大が学術のトップだったはずだが、いまやその時代も終焉しつつある。そういう話の一つがまた増えた。

なんと、

1位学習院大学
2位東京大学
3位京都大学
4位甲南大学
5位青山学院大学


の順番だったという。


ここにも駅伝の青山学院初登場。

はて、私学の名門、

早稲田、慶応、上智、中央、明治、理科大

どうしちゃったの?


ネイチャー誌はいう。

(理系研究者が少ない)小規模な大学が輝いている」。

主要誌に載った論文数自体は東大、京大などが多かった。


要するに、ネイチャーの統計は、「少数精鋭システムが有利」ということを証明した。

というわけで、これまた私の元来の主張が正しかったことが証明された形になった。

俺の「春の夜の夢」か「白昼夢」か!?:4年に一度新しい日本国大学を作れば世界が変わる!?

というわけで、アメリカ留学経験のあった有馬文部大臣は、アメリカ型を目指す結果になった。むろん、私も拙著「三セクター分立の概念」(1995)にはそう書いた。

しかし、私はアカデミズムの基本は「少数精鋭」スタイルであり、「裾野拡大」スタイルは邪道だという考えだったが、有馬博士は逆に朝永振一郎と同じく、後者を選んだ。

「裾野拡大」スタイルは一見聞こえは良いが、現実的には「悪貨が良貨を駆逐する」の例えどおりのことが起こるのである。
最初に入れた一匹の蝿、それが増殖するのである。



今回のネイチャーのデータは、インパクトファクターの大きな海外の有名研究雑誌68誌に掲載された研究論文を検討したものである。

その結果、比較的マイナーな大学にいる科学者の健闘が光った、というものである。


この理由はいくつかあるだろうが、

(1)マイナーの大学にいる主要大学出身者が母校にいる研究者の鼻を明かしたい
(2)マイナーの大学の方が研究をのんびり集中できる
(3)マイナーの大学のスタッフの方が研究者に親切
(4)マイナーの大学の経営陣の方が大学存続の危機意識がある
(5)マイナーの大学の方が小回りがきき、研究者に有利
(6)科学技術基本法のおかげ


だいたいすぐに思いつく理由はこんなところかな。


(1)については、あまり大学の内部を知らない人は知らないだろうが、我が国の大学の歴史的環境のせいで、たとえば、学習院大の教授といっても、大半はその教授自体は東大出身という場合がほとんどである。

これがいわゆる「学閥」を作ってきたわけだが、関西の私立大なら京都大と阪大、中京地区なら名大、九州なら九大、北海道なら北大、東北なら東北大、関東なら東大と東工大というような感じで学閥ができている。

だから、学習院大や青山学院大の研究者はおそらく東大などの出身者が多いはずである。同様に、関西の甲南大も研究者そのものは京大や阪大や名古屋大出身とかではないだろうか。

つまり、マイナーな大学の研究者だからといって、その教授個人のレベルが低いということにはならないのである。むしろ、マイナーな大学でも孤軍奮闘しているからこそ、海外の有名雑誌に出そうと考えるわけだ。

むしろ、問題なのは、有名大学にいる人の方で、有名大学にいるから、わざわざ海外の雑誌に出すまでもなく、適当に日本語論文で国内雑誌で発表しても十分に元を取れてしまうという可能性がある。

それに対して、マイナーな大学の人なら、有名大学の人から、「やつは一廉の研究者だ」と見てもらうには、海外の有名雑誌に出すほかはない。

そして、運が良ければ、自分の出身校である東大なり京大に返り咲きたい。こういう願望を持っているに違いない。

これが(1)である。

(2)〜(5)は、やはりマイナーで小粒な大学の方が、研究者が少ない分、大学スタッフからすれば、研究者が身近なところにおり、顔が見える。だから、その研究者がよくやっているかだめになっているかがわかりやすい。

大人数の大きな大学の研究室ではその逆でわかりにくくなるから、埋没する研究者がいてもわかりずらい。

また、大学の経営陣や学部の運営陣が、私立の場合はなんとかしていい評判を作らない限り、少子高齢化のこの時代、良い学生が来てくれないという結果になるため、大学経営陣からのいい意味でのプレッシャーが働く可能性がある。


たとえば、岡山のノートルダム聖心女子大学の教授をしていた、保江邦夫博士などの業績をも見ても、そういう感じがするわけである。この大学は女子大で学部中心の大学であり、大学院生はいない。

しかしながら、保江邦夫博士の著作や業績には素晴らしいものがあり、治部真理博士との研究など逆に東大や京大からは決して出てきそうもないというような研究である。

小さい大学の方が大学スタッフがわずかにいる優秀な大学教授に対する尊敬の念や協力体制などができやすいのは間違いないだろう。


また、(6)は、科学技術基本法が1995年に誕生して、その年5兆円の一部が、私学やマイナーの大学の科学部門にも回ってきた可能性も否定できない。

こういう予算は昔にはあり得なかった。全体的な金額が少なかったからである。


さて、驚くべきは、甲南大が4位ということではないだろうか?

なんで甲南大なの?

おそらく普通の人はそう思うだろう。私も3年前ならそう考えた。

しかし、2年前に杉田元宜博士の研究を知り、その業績を紐解き、さらにその人生を振り返った時、関西地区においては、甲南高等学校、つまり、甲南大学の前進の旧制高校の存在やその重要性をはじめて知ったのである。

杉田元宜博士は、我が国の旧東京帝大出の理論物理学者だったが、戦後、我が国の最初の生命を研究し始めた理論物理学者だった。そして、我が国の「生物物理学会」を立ち上げた人物の数人の1人である。

戦前の小林理学研究所(俗に天才研究所)の一員だった。

この杉田博士は高知の小中と進み、旧制中学の途中から、神戸の甲南高校に編入学したのである。

その時、すでに甲南高校には自然科学専門のコースが存在した。そこで学んだ物理学のことを終生に渡り、自分の受けた最高の教育だったと著書や論文に再三述べている。

杉田博士の著書にもそんな甲南高校の恩師に捧げられている。

だから、甲南大学には自然科学に対する我々の知らない深い歴史があるようなのだ。

その結果が、今回のネーチャーにしっかり出てきたと思われる。

この意味では、関東の北里大学とか、星薬科大学とか、創立において、創立者自身が医学や科学に造詣の深かった人の生み出した大学という、固有の伝統文化を受け継ぐ大学の系譜に入る大学と考えられる。



とまあ、こんなわけで、我が国の東大閥の官僚さんの巣窟である、財務省の太田氏やご都合主義の佐川氏や文科省の前から後ろから氏などに代表されるように、国家公務員組織のいまの体たらくそのものが、学術研究にもきちんと反映してきているという証ではなかろうか?


ちなみに、私はなけなしの金5万円叩いてオープンジャーナルに公表した、杉田先生の研究解説の論文は、もうすぐ1000ダウンロードに到達する。
Kazumoto Iguchi,
"Motoyosi Sugita--A "Widely Unknown" Japanese Thermodynamicist
Who Explored the 4th Law of Thermodynamics for Creation of the Theory of Life",
Open J. Biophysics, 2016, 6, p.125-232 (2016).


このオープンジャーナルというのは、だれでもただでダウンロードできる研究雑誌のことである。普通の上の68誌のような有名研究誌は有料であり、たった10数ページの論文でも30ドルも払わないとダウンロードできないのである。

私はそれに怒って、もうフリージャーナルしか論文は出さないことにしたのだが、その分著者の方に負担がかかるというわけだ。

読者から金儲けする研究雑誌と、著者から金儲けする研究雑誌と2種類存在するのである。

こういったオープンジャーナルはネイチャーの計算には乗らない。


頑張れ、日本!





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by kikidoblog2 | 2018-04-02 15:48 | 普通のサイエンス

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