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「なぜ伝統校に新参校が負けるか?」:新参者が負けるわけ「身内が敵になる!?」   

また行くぞ、鳴門の美人チア軍団
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みなさん、こんにちは。

さて、これも忘れないうちに即興でメモしておこう。

昨日、高校野球夏の甲子園大会100回記念大会の徳島県予選決勝:

鳴門高校vs生光学園

が行われた。

結果は、4−2で鳴門の優勝。12回めの甲子園である。


昨日知ったことだが、どうやら甲子園に私立高校が出場していないたった一つの県が徳島県だとか。

徳島商業、鳴門、鳴門工業(現鳴門渦潮)、池田、新野。

徳島から出場したのはたったの5高しかないらしい。すべて公立高校である。

そこに敢然と挑戦し続けているのが、生光学園である。

が、これまで何度も決勝に出てきたが、決勝戦で伝統校の前に涙をのんだ。


そして今回、ダントツ1位の強さで決勝まで勝ち上がった。

おとといの鳴門渦潮は昨年の優勝校で、去年の夏の甲子園に出たチームであるが、このチームを大差であわよくばコールドゲームで勝つのではないかという勝利を収めた。

だから、大方の予想では、昨日の決勝も二桁得点で圧勝するのではないか?と見られていた。

ところが、一昨日と昨日ではまったくこれが同じチームかというできで、あえなく負けてしまったのである。


「決勝に勝てないジンクス」をまた伸ばしたんですナ。


同様に私の奥さんと長男の出身校である富岡西は、創立1世紀以上ある伝統の名門校だが、準決勝でこの鳴門と対戦。

9回裏まで10−5でリード。戦後初の決勝進出かと思われた。

ところが、その裏に6点とられてさよなら負けを喫したらしい。


え〜〜、どうして?


これは実によくある事実である。


伝統校は決勝に強い。しかし、新参者は決勝に弱い。


昨日の決勝戦の解説者にかつて決勝までいって、鳴門に挑戦したが、そこで僅差で負けて初の甲子園はならなかったという元板野高校の監督さんが登場したんだが、この監督さんの話が実に興味深かった。

と同時に、どうやら新参者が大事な試合で負ける原因がこれだとはっきりわかった。

というわけで、この重要な問題をメモしておこう。


まあ、結論から言うと、

どうしてはじめてのチームがなかなか伝統校に勝てないか?

というと、それは、

決勝で平常心で戦えないから

なのである。

じゃあ、どうして平常心でいられないか?

まあ、それは一言で言えば

「経験がないから」「経験の浅さ」

ということに尽きる。選手の経験のなさもさることながら、その身内の経験のなさが根本原因だったのである。

じゃあ、どうして経験がないとだめなのか?

これにその解説者の元板野の監督さんが答えていたのである。

なんと、こんなことだった。

準決勝で見ごと勝利して、帰ったその瞬間。

高校の電話、家の電話が鳴り響き、鳴り止むことがなかったんだと。

つまり、はじめての決勝戦で、もしこれに勝てば甲子園に行けるという状況になったとたん、監督やコーチや選手の身内、親戚、友人、ファンなどから、

「頑張れよ」、「しっかりやれよ」、「これからが本番だ」、「明日は絶対勝てよ」、「絶対甲子園にいけ」

とか、いわゆる激励が飛んできた。


要するに、自分の仲間の方が、あるいは、見ている方が、

心がはやってしまった

のである。

そして自分の気持ちを監督やコーチに伝えたくてしょうがなくなり、電話した。今ならメールする。あるいはラインする。


その結果、当の監督さんや選手たちは夜まで電話の応対でまったく眠れなかった


その結果、本番の決勝戦ではいいところなく負けたというのである。


こんな教訓というか、経験話をその板野の元監督が試合前の解説中に話したのだった。

そしてなんと昨日の決勝戦でも生光学園は実力では圧倒していたにもかかわらず、ちょっとしたワンチャンスに失点し、結局それを取り返せずにあえなく敗戦したのである。


要するに、新参者の高校の場合、

身内が選手に良かれと思ってすることが結局選手の障害になる

のである。

つまり、

身内が敵になる

のである。


翻って、これも最近NHKのアナザストーリーで野茂英雄のデンバーにおけるノーヒットノーラン達成の話をやっていたが、これには逆のことが語られていた。

大リーグには、8回までノーヒットノーランとか、8回まで完全試合とかできて、次の9回を押さえれば、偉業達成という場面では、

だれもそのことをピッチャーに話してはいけない


という不文律=慣習があるというのだ。

なぜなら、野手がピッチャーに「あと一回だ」とか「次の回を頑張ればノーヒットノーランだ」というようなことをいうと、それが意識に登り、不必要なプレッシャー、無意識の重圧をかけるから、大概が失敗に終わる。だから、絶対にノーヒットノーランやパーフェクトゲームとかいう言葉を言ってはならないということらしい。


つまり、生光学園の生徒、友達、父兄、親戚、関係者、校長、担任のみなさんが何をしなければいけなかったか?

というと、いつもどおりに振る舞うこと、それまで通りに何もいわないこと、決勝戦を意識させないことだったのである。


つまり、

大試合の前日前夜に決して激励するな!

ということだったのである。

偉業を達成したあとで激励しろ!
偉業達成するまでじっと耐えて待て!


ということである。



思い出せば、私が甲府南高校2年の終盤のサッカー新人戦のとき、準々決勝で常勝軍団の韮崎に延長1−0で勝利した。甲府南がはじめて韮崎に勝利した。それも7年近く無敗の韮崎に勝ったのである。

そして次が準決勝。これに勝てば初の決勝というときだった。

その晩。山梨日々新聞から電話がきて、我がチームの戦術を聞きに来た。翌日学校に行くと、校長室から校長先生の呼び出しがあり、私は校長室へ行った。

いまでもよく覚えているが、丸山校長先生、この人はサッカーマンだったのだが、このサッカー経験者の校長先生が自ら主将の私に

「次が大事ですよ」「頑張りなさい」

と激励してくれたのだ。

私は未経験だったから、この新聞社のインタビューや校長からの激励の話を他のチームメートたちに話してしまったのである。

当然、選手は仲間に話す。

すると、次の準決勝には、ほぼ全校生徒がいきなりグランドを取り巻いた。

当時は高校のグランドで試合しているから、他校の甲府商業のグランドのラインギリギリまで放課後に生徒たちが集まって声援を送ったのだ。

だから、ゴールの真後ろにもたくさんの生徒がいてGKに声をかけたり話しかけた。

これに驚き恐れビビってしまったのが最後尾のGKだった。

結局、大半のチームメートがあがってしまい、いつもどおりのプレーができず、あれよあれよという間にいいところなくボール支配率では60%と圧倒していながら、あいてのたった3回のカウンターで3失点し、3−0で負けてしまったのである。


今回のロシアW杯日本代表もそうだった。

セネガル戦に痛恨のいやらしい引き分けをして、予選リーグ突破が叶うと、その瞬間から各選手の身内、親戚、遠戚、友人、ファン。。。などから引切なしに電話やメールやラインやインスタやフェイスブックやトウィッターが入ったという。

みんないい人だから激励したいんだ。

しかしそれが仇になる。

激励はその偉業を意識させすぎる結果になる。

おまけに、当の監督や選手に眠れない夜をもたらす。

これが原因になり、意識的にも無意識的にもあらゆる意味でプレッシャーになる。

そうして、本番で普段どおりの実力が出せなくするのである。

そしてベルギー戦。

本田は平常心ではなかった。

偉業を意識しすぎると、頑張りすぎ、力が入りすぎる結果になって力む。

平常心なら、最初のFKで得点して英雄になっただろう。3−2の勝利で終わったはずである。

しかし、力んだ結果微妙にセーブされ、今度はCKで力んで後先のことを考えられなくなった。

その結果、簡単にGKにキャッチされるボールを蹴り、9秒カウンターで劇的敗戦を喫したのである。


とまあ、というようなわけで、これがいわゆる「日本人特有のメンタル」「日本人特有のメンタリティー」というものである。

はやる。こころがはやる。

いてもたってもいられなくなる。

激励しなければいられなくなる。

律儀だからなおさら困る。

確実に激励しようとしたくなるのである。


これが当の選手の時間を奪い、精神集中を妨げる。

だから、本番に強い、中田英寿や内村航平はヘッドフォンで外界を完全シャットアウトする。

一見冷淡で冷たいふるまいを行う。

余計なことを考えなくするためだ。


偉業を達成する者にはそれなりの条件やプロセスがある。

同様に、偉業を果たせない者にもそれなりの条件やプロセスがある。

しかし、達成するものの方には目が行くが、失敗する方にはあまり目が行かない。


負けるものは負ける理由があって負けるのだ!


もし自分の身内があと一歩、次の試合に勝てばという場面になったら、

決して激励するな!

まずは周りの自分も平常心でいろ!

いいな!


というわけですナ。


日本人特有のメンタリティーが偉業失敗のルーツなのだから、これはかなり深刻ですナ。

まあ、昔からよく言うだろ。

敵を騙すにはまず身内からってサ。



いやはや、世も末ですナ。





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by kikidoblog2 | 2018-07-27 10:23 | サッカー&スポーツ

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