2018年ノーベル化学賞番外編:指向性進化の大家は「金髪碧眼の美人女性」だった→白人女性の鑑!?
2018年 10月 04日
TEDxUSC - Frances Arnold - Sex, Evolution, and Innovation
みなさん、こんにちは。
さて、昨夜はノーベル化学賞の発表だった。我が国の日本人受賞はなかった。
まあ、それもしかたないだろう。
というのも、大学の数でいうと、我が国の大学数はせいぜいアメリカのカリフォルニア州と同程度。カリフォルニア大学機構程度くらいしかないからである。
アメリカには大学と名のつくものは数千あるといわれ、そのうちトップ200が全米のワールドクラスの大学である。各州に平均して2つほど州立大学のマンモス校があり、それ以外にキリスト教系大学、モルモン教系大学とか、あるいは、有名私立大学がある。
中でも、建国より先に誕生した米東部のアイビーリーグの大学、ハーバード、イェール、プリンストン、ブラウン、コロンビア、コーネル、ダートマス、ペンシルベニアは、常にトップ20に入る。

さらに、ここ100年で上昇したカリフォルニアのスタンフォード、カルテク、UCLAなどがある。
こういうそれぞれの大学はだいたい2万人以上の学生数を誇り、大学院も充実している。
というようなわけで、ノーベル賞を取りたければ、東部のアイビーリーグか西部のカリフォルニアにある大学に住め、と言われるわけである。
我がユタ大学は、1980年代当時、全米でだいたい50番目くらいのレベルだった。ミディオクレ=中堅というところですナ。
そんなわけだから、日本の大学に住む日本人研究者にいくらノーベル賞級がいたとしても、そこまで来るには相当に突出しているか、あるいは、順番待ちするか、あるいは、相当に運が強くなければならない。
なにせ、私がアメリカ留学した1980年代でアメリカの総人口は2億4千万人。いまや3億人を超える人口がある。一方日本は1億2千万人からそんなに増えていない。どころか、内部構成が若者大国から老人大国へシフトしている。
まあ、普通に考えれば、科学分野では勝負にならないのである。いまの日本人ノーベル賞は、我が国の高度成長期の名残、残り香である。
さて、だいぶ前置きが長くなったが、今回のノーベル化学賞は物理学賞に続き、女性科学者が受賞した。
フランシス・H・アーノルド教授である。
残念ながら我が国では殆ど知られていなかった。むろん、私もあまり知らなかった、というより、まったく知らなかった。
ネット上にこの博士についての興味深い解説を見つけたので、それを一応ここにもメモしておこう。以下のものである。
フランシス・アーノルド Frances H. Arnold
フランシス・ハミルトン・アーノルド(Frances Hamilton Arnold、1956年7月25日-)は、米国の合成生物学者・生化学者・生物工学者である。カリフォルニア工科大学教授。(写真:Twitter) 指向性進化法の開発により、2018年度ノーベル化学賞受賞。
経歴
1979 プリンストン大学 卒業
1986 カリフォルニア大学バークリー校 博士号取得
1986 カリフォルニア大学バークリー校 博士研究員
200x カリフォルニア工科大学 Dick and Barbara Dickinson Professor
2005 Gevo, Inc. 共同創業者
受賞歴
2011 Charles Stark Draper prize
2013 National Medal of Technology and Innovation
2014 National Inventors Hall of Fame
2016 Millennium Technology Prize
2017 Raymond and Beverly Sackler Prize in Convergence Research
2017 Society of Women Engineers’ 2017 Achievement Award
2018 ノーベル化学賞
研究概要
指向性進化法のパイオニアの一人。タンパク質工学技術を基盤に、自然界よりも優れた機能を持つタンパク質・生物系の創出を主たる研究対象として取り組んでいる。研究初期においては、指向性進化法の方法論の確立とタンパク質の安定性を向上、酵素の触媒能の向上[2]やタンパク質のアミノ酸残基の改変によって生じる酵素の構造変化と触媒能の変化に関する研究において多大な貢献をしてきた。
近年では、Arnoldは指向性進化法を利用することにより、自然界に人工酵素を用いて自然界に存在しない反応を酵素により行うことに注力している。自然界に存在するシトクロム酵素は主に有機化合物を酸化する能力を有しており、旧来よりその酸化能を利用した選択的な酸化反応の開発が行われてきた。一方で、炭素-炭素結合への応用はその触媒能力の低さから進んでいなかった。さらに有機化合物の修飾反応への応用、例えば、酵素的なアミノ化、シリル化、ボリル化などの特殊な反応はそもそも自然界には知られていなかったため、酵素をそのような反応に利用する試みはなされてこなかった。Arnoldらはこれらの課題に対し指向性進化法によりアプローチし、シトクロムの鉄を中心金属とするヘム近傍に存在するアミノ酸残基を改変することで、天然型を超越する結合形成反応を触媒する酵素機能の創出に精力的に取り組んでいる[1-6]。例えば、ジアゾ化合物を出発物質としてシクロプロパンを合成する金属酵素の作製[3,4]、有機化合物に不斉炭素―ケイ素結合を組み込める人工酵素の創出[6]や炭素-ホウ素結合を組み込むP450酵素の創出[5]、酵素的なCーHアミノ化に成功し、話題を集めている。このように従来不可能だと考えられてきた、反応が酵素により可能であるというArnoldらによる報告を皮切りに、現在では世界中の他の多くの研究室においても指向性進化法を用いた反応開発が進んでいる。
2016 Millennium Technology Prize - Directed evolution
Directed Evolution & Sustainable Biofuels | Talk Nerdy To Me
2016 Millennium Technology Prize: Innovation presented by the winner Frances Arnold
いわゆる、白人女性の鑑。
美人、知的、金髪碧眼、頭脳明晰、ゴージャス、淑女、科学者、ノーベル賞学者、。。。。。
おそらくミスタートランプがもっとも好きそうなタイプだろうか?
大和撫子科学者も頑張れ!
初のなでしこノーベル賞学者は出るか?
いやはや、世も末ですナ。

by kikidoblog2 | 2018-10-04 09:03 | 普通のサイエンス