望月新一博士は一人ではなかった!?:いまや宇宙連合軍になっていた!?「地球人は青かった!」
2018年 11月 20日
講演する望月新一博士
カテゴリ:望月新一・心の「一票」
みなさん、こんにちは。
いやさか〜〜、いや〜〜、いやはや、素晴らしい!
京都大学の大天才望月新一博士の最近の動向を見ようかと久しぶりに京大のサイトを見ると、驚き桃の木山椒の木。
ちょっと前まで、望月博士の論文はだれも理解できずたった一人で研究しているというふうに思っていたら、最近では、たくさんの追随者や理解者が現れていまや連合軍になっていたのである。これだ。
望月新一の過去と現在の研究
・玉川安騎男
・山下剛
・Ivan Fesenko
・譚福成
・加藤文元
・南出新
ところで、我が国内の数学の鬼や天才君たちには、以下のものを勉強してきなさい、というのが望月先生の要望らしい。
望月新一を指導教員に志望する学生・受験生諸君へ
なお、仮に修士課程に入学し、私の学生になった場合の、少なくとも最初の一年間の「カリキュラム」は
大体次のとおりになります:
(a) 「松村」、「Hartshorne」の復習
(b) 複素多様体や微分多様体の理論の復習
(c) エタール・トポス、エタール・コホモロジー、エタール基本群
(d) 曲線やアーベル多様体のstable reduction
(e) log scheme の幾何
(f) エタール基本群のweightの理論
また、これらの基本的なテーマの勉強が済んだら、
(i) crystalやcrystalline site, crystalline cohomology
(ii) Fontaine氏が定義した様々な「p進周期環」
(iii) p-divisible groupsとfiltered Frobenius moduleの関係
(iv) Faltingsのp進Hodge理論
(v) p進遠アーベル幾何
(vi) p進Teichmuller理論
あとは、英仏独語、およびロシア語くらいだろうか?
まあ、俺も20年以上前にグロタンディークの自伝の3巻を必死で読んだものだが、あれから25年。
ついに正真正銘のアレクサンドル・グロタンディークの後継者が出てきたということだろう。
ところで、このグロタンディーク博士は、ちょっと前の最近ついにお亡くなりになったのだが、両親がアウシュビッツ入りして殺されたそうで、本人は戦災孤児になられて、フランスの修道院で育てられたというのである。
しかし、物心つくと、自分はいつも何かを考えては発見していたのだが、後々それが人々が数学と呼ぶものだったと発見したのだという。
そして、最初の独自の発見が、なんと「ルベーグ積分論」だったというのである。
子どもの頃からだれに教わったというのではなく、自分でひらめいては気づきの行いが、すでに数学だったのである。
そして、高等教育を受け、本当の天才数学者に育った。
そして、当事の数学の水準を突破し、フィールズ賞(40歳以下のみ受賞)をもらい、10人ほどの天才の弟子を育て、その中の一人が我が国の広中平祐博士だったが、さらに時代の数学を遥かに超え、だれにも理解不能の論文を1万ページにわたって公表したというエピソードが残る。
さらに、比較的若くして数学界を引退したために、その遺産を受け継いだものたちから、多くの業績を盗まれてしまい、本来ならグロタンディークの名前を冠するべきところをドリィーニュだとかなんとか、いろんな有名人の名前がついてしまったといういわくつきの伝説まで残る。
しかしそれも1万ページのごくごく一部に過ぎず、大半は手付かずのまま、盗用盗作する連中すら結局理解できずに死に絶えてしまったという、摩訶不思議な天才数学者だった。
そしてそのグロタンディークの残したもっとも理解不能の部分の鍵をついにこの望月新一博士がみつけて、新世界をこじ開けた。
とまあ、俺は論文そのものはまったく読んでも理解不能だから数学の中身は語れないが、行ったことの雰囲気はこんなことだろうと想像しているんですナ。
問題は、そうやって望月新一博士が見つけた「新世界の道」、このときにつけたり用いた命名が実に面白いんですナ。
宇宙際
エイリアン
こんな言葉が飛び交っているわけだヨ、純粋数学の論文中に!
しかし、その解説を読んでみると、実になるほど〜〜と目からウロコ。目が点になる。
まあ、その本質的観方を俺が感じた印象でメモすれば、これまでの数学の大問題というのは、我々地球人のものの見方や大前提の上に成り立っている。
だとすれば、いったんそういう地球人的なものの捉え方の枠組みを超えて、宇宙人になったつもりで見直すことが大事だ。
宇宙人が地球の数学の問題をみたらどう考えるか?
こういう視点で数学の大問題を捉え直し、その間で、つまり、地球人(伝統的数学)と宇宙人(本来の来るべき数学)との間で翻訳を行い、宇宙人の世界で問題が簡単になってとけるのであればそこでとき、再び地球人の数学に翻訳しなおせばよろしかろう!
これが望月新一博士の思想なのである。
いや〜〜、素晴らしい!
かつて岡潔博士もそういうのをやっていたんですナ。
岡の場合は、宇宙人の視点どころか、神の視点、天国の視点にまで飛び上がった!
いったん神様になって我々の問題を考える。そして神様の視点でみたら、意外と問題が簡単になる。
そうしたら、天国(高天原と岡は言っていた)で解いた答えを地球人の普通の人の言葉に翻訳しなおせばよろしかろう。
というような観点から俺が解釈するに、望月博士は、仏カソリックのアレクサンドル・グロタンディークと仏教の岡潔の両方の特徴を兼ね添えた数学者と見ることもできそうである。
これとは違うが、ずっと簡単な問題なのだが、実にセンスとしては似ていることを俺も最近考えていたんですナ。
たとえば、二進法。0と1だけの世界というものがある。あるいは、DNAの配列はA, G, C, Tの4つの塩基配列でできている。この意味では4進法。
こういう世界で、超立体を作ることができる。
たとえば、1次元の立方体は、0−1である。
2次元の立方体は、00−01−10−11でできる正方形である。
3次元の立方体は、000−100−010−001−110−101−011−111でできる立方体である。
4次元の立方体は、0000−1000−0100−0010−0001−1100−1010−1001−0101−0011−1001−0111−1011−1101−1110−1111でできる立方体である。
以下同様。
普通2進法はこういう理解でできる。
しかし、この0と1の区分というか、名前の付け方は我々地球人が勝手にアラビア数字=インド数字をつかってそう書いたにすぎない。
だから、0が0で1が1であるかどうかはどうやって判別するのか?
本当なら、0が1で1が0かも知れないわけだ。あるいはそれ以外。
そこで、正方形の場合には、回転ができるわけだ。すると、たとえば、00−01−10−11の正方形を中心の周りに45度反時計まわりに回転させれば、01−10−11-00になる。これは、
00→01、01→10、10→11、11→00に対応させたことになる。
つまり、我々が00と見たものは実は01と見ても良いということになる。4つの置換を常に同時に行えば、何も区別できないというわけである。
正方形は4回転でもとに戻るから、まだ他に2つの可能性もある。あるいは、軸対称性もあるから反転もできる。
2次元の立方体なら、こういう対称性は0と1を入れ替えるだけである。
しかし、3次元になれば、回転は3次元的になる。だから、置換の仕方は非常に様々になる。
4次元、5次元となれば、もっと増える。
こういうふうに見方を広げると、DNAの場合は、どうなるか?
要するに、0と1のアルファベットだけでの世界でも、集合論的に見る見方というものは地球人のものの見方に過ぎず、エイリアンなら、こういうふうに別の視点で集合を見るかも知れないわけだ。彼らにとって、0と1という文字は特に意味を成さないからである。
我々地球人がギリシャ以来自分たちの数学的見方に自己中になっただけのことである。そして、ついには
人間原理=この宇宙は人間に理解できるようにできている
というまでに至った。
はたしてそれは事実かどうかはいったん我々自身が宇宙人の視点から見なければならないということである。
宇宙から地球を見たら、
地球は青かった!
ということになるが、同じように宇宙人の見方で地球人の見方を見れば、やはり
地球人は青かった!
となるのではないか?
そんな枠を広げてみるという見方が現代数学の世界でいままさに行われているというのだ。
実に興味深い。
京大、さすがに岡潔の母校。
望月新一博士とその仲間たちのご幸運と成功を祈りたい。
頑張れ、日本!
いやはや、世も末ですナ。

by kikidoblog2 | 2018-11-20 11:17 | 望月新一・心の「一票」