日本最古のデパート三越の印傳屋と天女像とライオン像
2019年 04月 30日
先日の講演会はなんとか無事に終わり、予想外の大盛況で大変ながらも楽しい日を迎えられた。
すでに講演会の内容はそちらのサイトに上がってきているようなので、そっちをみてもらおう。私個人はそれが仕事ではないので、もうこの件はそれ以上ここで取り上げるつもりはない。一回こっきり。一応、それで終わりである。宿禰との関わりも終わりである。武内宿禰さんの関係者の今後の活躍を期待したい。
それにしても、武内宿禰さん
世界一の物理学者
というのは盛り込みすぎていますよ。
むしろ、
世界一の変人物理学者
の方に近い。
すくなくとも、
世界一恵まれなかった物理学者
あるいは、
世界一貧乏な物理学者
なら100%正解だ。
さて、今日は平成最後の日。
それで、講演会の後の翌日の後日談をメモしておこう。
実は、翌日ホテルをチェックアウトしたら、ちょうどホテル前にシャトルバスが停車していた。見ると、東京駅まで無料ということで、すぐ近くの地下鉄乗り場へ行くのも良かったが、来たときとは別のルートで帰ろうということになり、東京駅へ行くことにした。
東京駅と言えば、20年ほど前、東大物性研の若手研究者とそこで待ち合わせて、物理の議論を兼ねて食事しようとしたことがあったが、その時連れて行ってもらった六本木のイタメシ屋(もう死語か?)は、ワイン1本と普通のスパゲッティを食っただけで1万数千円という当時としては破格の値段に閉口したのを覚えている。
その後その相手の研究者は、大分後に不祥事をやらかして物理学者の職を解かれてしまった。私は●●で会社をやめましたに近いものだった。優秀な男だったので非常に残念で切ない思いをしたものだ。
だから、それ以来東京駅というと、あまりいい印象がなかったわけですナ。
駅を出ると、まず奥さんの要望で三越に行って、その後で八重洲ブックセンターへ行こうということになった。
というのも、私も妻もいつも財布や小銭入れ

も印伝を使っている。ところが、徳島そごうの印傳屋はすでに消滅の危機で陳列しなくなってしまった。そこで、三越にはあるはずだということで、三越に行くことにしたわけですナ。
そして、その後で八重洲ブックセンターで本を探す。
今回池袋なら大きな本屋があり、都内の大書店なら、買いたい本もあるのではと思って、必ず買って帰ろうかと思っていたのである。それがこの本である。
同期現象の科学: 位相記述によるアプローチ
ところが、池袋に行ったのは良かったが、そういうチャンスが訪れなかった。そこで、東京駅なら八重洲ブックセンターがある。だから、そこで探す。
印傳屋は予想通りあった。かなり多くの品物が置いてあり、目を楽しませてくれた。そしてそこを出たところで、中を見ると、なんと巨大な天女のオブジェが見えた。これである。
天女像
最初上から見たのだが、正面へ行こうと正面に立って見ていたら、そこでガイドの男性がふと吸い込まれるようにやってきて、いろいろ経緯をお話してくれた。
創業者の日比翁助とその息子の日比雷音の物語である。
三越創業者日比翁助はわが国初のデパートの創始者。ロンドンのトラファルガー広場のライオン像にえらく感動し、それを特別発注し、自分のデパートの入り口にも置いた。それがこれだった。
左のライオン
右のライオン
それほどまでにライオンが好きだった翁助氏。息子の名前まで雷音にしたんだと。
三越と高島屋と白木屋の関係とか。いずれにせよ、三越こそ我が国で最も古く、一番最初にできたデパートだったということらしい。
そして、戦後財閥解体され、大苦境に陥ったとき、この三越を再帰させる象徴として大彫刻家に頼んでできたのが、この天女像。当初の時間と予算を大きく突破してできたものだという。
とまあ、そんな歴史ヒストリアでどういうわけか盛り上がってしまったわけだ。店内ガイドの男性と非常に長いこと興味深い話ができた。どうもありがとうございました。そして最後には握手までしてお別れしたのである。
というわけで、三越のライオンさんと天女さんそして印傳屋。実に良いもの見ることができた。
この後、八重洲ブックセンターへ行ったのだが、なんと八重洲ブックセンターには上の本の在庫がなかった。そして、さっき天女像の前で男性ガイドさんから聞いたばかりの、創業者翁助翁の著作
小僧読本
もなかった。そしてそれから孫引き解説したこの本。
「三越小僧読本」の知恵
これもなかった。
実はちょうどホテルをチェックアウトする前にもう一回温泉に入ろうかと思っていたら、もう清掃が始まっていて、入れなかった。もう大半の従業員が外国人青年だった。たぶんベトナムかな。
それで部屋でシャワーにしたんだが、その時テレビで元Jリーガーの武田さんが、いつも自分が持ち歩いて読んでいる本といって、ボロボロの本を出していた。それがこの三越小僧読本の知恵だったのだ。だから、ガイドの人と話した時に、小僧読本の話が出て、ぜひそれを買いに行こうと思ったわけである。
しかし私が欲しい本はまったくなかったというわけで、もうすぐに羽田へ行くことにしたわけですナ。
そして羽田ではいつも築地の寿司は高すぎて食えないし、すきやばし次郎がガイジン専用になってもはや日本人は食べることができないから、その代わりとして空港内の寿司で我慢しているんだが、そこで出発前に夕食をとって、なんとか無事に今回の講演旅行が完了したというわけですナ。
ちなみに、前回その寿司屋で食べたときは、築地から仕入れていたが、今回はもう豊洲だという話。
もう築地の寿司屋はなさそうだ。残念。
まあ、平成最後の日ですからヨ。
いやはや、世も末ですナ。

by kikidoblog2 | 2019-04-30 16:25 | 個人メモ