ブッフバルトとジーコの老婆心、ワンタッチターン率→俺「やはり言葉の問題は無視できないヨ!?」
2019年 06月 28日
今日もまずサッカーの話題からメモしておこう。当然、久保建英のことである。
(あ)若い選手が欧州ビッグクラブへ行くことの是非
一つ目は、Jリーグのアンバサダーになったドイツ人のブッフバルトやブラジル人のジーコが、久保建英のことを若い選手が欧州のビッグクラブへ行くときは要注意だという注意を促したということ。
ブッフバルト&ジーコが若手のビッグクラブ移籍に警鐘、「一番良い例は長谷部誠」
ブッフバルト
「最近の傾向として、若い選手がいきなり大きなクラブに行っている。それはいかがなものか」
「彼らはそのクラブで試合に出て、経験を積んでいかないといけない。何のためにヨーロッパに行くのか。それをまず考えてほしい。サッカー選手としてのクオリティを上げることが目的であるならば、最初から大きなクラブに行くのではなく、小さいクラブでも良いクラブはいっぱいあります。そういうところを経由して大きなクラブに行くということ。それを考えていったらどうかと思っています」
「試合というものを通じて段々成長していく。練習だけやっていると毎日同じ相手とプレーするわけなので、それは繰り返しになりますよね。試合というのは対戦相手も違えば、自分がマッチアップする相手も変わってきます。環境も変わります。そういったものに慣れていくことが非常に大切です。それによって初めて選手として一歩成長したなって言えると思います。最初の目的を思い出して、私はこのクラブでプレーできるのだろうか、このクラブは私にとって成長の糧になるんだろうか、ということを考えて移籍をしてほしいと思います」
「長谷部の最初に行ったチームは世界的に有名ではなかった」
「そういうところに行って経験を積み、今ではヨーロッパでも非常にレベルの高い選手としてリスペクトを持たれている」
ジーコ
「長谷部のことはよく覚えている」「長谷部の良さを十分に理解して」
「ブラジルでも同じ問題が起きている。継続的にプレーできず、生活習慣にも馴染めず、ベンチ入りすらできないまま放置されることもある。ある程度経験を積んでから移籍したほうが彼らのためになる」
これは、最近では、サンフレッチェで活躍したクロアチア人のミキッチも、安易に海外移籍するJリーガーたちを心配していたことである。
ポルトガルに新生「フェリックス」現れる!:ミキッチ「なぜ日本の若手は外国リーグに行きたがる?」
ミハエル・ミキッチ(サンフレッチェ広島)
「Jリーグのレベルは高いのに、なぜ日本の若い選手たちは外国のリーグに行きたがるのか? その理由がまったくわからないんだ。こんなに素晴らしいスタジアムとサポーターの雰囲気があって、さらにパーフェクトな運営がなされている。プレーの質も高い。それなのに、なぜJリーグより下のクラブに行く必要があるんだろう」
この問題で一番槍玉に挙げられるのが、ガンバ大阪の「子供横綱」だった宇佐美貴史である。
いきなりドイツの強豪バイエルンミュンヘンに移籍した。しかし、世界のトップチームで世界中から集まった有名選手たちの中でレギュラーに定着できず、ずっとBチームを余儀なくされた。そして、ついに今期退団してガンバに戻りそうである。
問題は、あれほどの天才と言われた選手が、ドイツに行っている間にどんどん下手くそになって、自信喪失し、凡庸な普通の選手以下になってしまったということである。
誰もが
なぜだ?
と思ったわけですナ。
これは海外に行くとよくあることでサッカー留学に限った話ではない。
我々物理学の世界でもある。
一言で言うと、「言葉と習慣の問題」。もっと単純には「言葉」の問題。
宇佐美はドイツ語が不自由だった。しかも若くして日本のガンバ時代にもらった美人の嫁さんがすでにいて、子供もできていたため、おそらく家庭内では日本語を話さなければならない状況になったわけだ。
こうなると、なかなかドイツ語や現地語が身につかない。
一方、長谷部は最近まで未婚の独身だったから、完全フリー。現地女性と交尾できただろうし、付き合うこともできたはずである。だから言語習得がやりやすかった。
GK川島も独身だったから現地語への対応がすんなりだったようだ。
中田英寿は未だ独身である。だから、奴は数カ国語を操れるようにまでなった。
やはり海外へ行く場合は、男は独身の方が適応しやすいのである。
つまり、海外留学や海外組の成功の鍵は現地対応にある。監督と通訳なしでコミュニケーションできる方ができない場合より信頼されやすいわけだ。
ブッフバルトもジーコもあまりこういう問題は理解していないようだ。彼らはともにサッカーの優勝国から来た。だから、常に日本で特別扱いしてもらえる立場にあった。
しかし、日本人選手の場合はそうではない。
というわけで、久保建英のことを宇佐美を通して心配しているわけだ。
しかしながら、俺の意見では、それは杞憂に終わるだろう。
なぜなら、久保建英は8歳からローティーンまでスペインで育ち、スペイン語が堪能だからである。むしろ、おそらく彼はスペイン語で考えているフシすらある。
言葉の問題が全くない。これは大きな利点である。
さらにスペイン人の仲間とやってきたから、今の中井卓大と同様に、スペイン人の気質や性格やジョークや振る舞いとか、そういうことを全て自分の身で経験済みだろう。
今回のコパアメリカで日本のマスゴミは全く理解していないようだったが、それがこの言語の問題だ。
おそらく、ピッチで相手の選手の会話をリアルタイムで聞きながらプレーできたのはこの久保建英一人だったと思う。
なぜなら、南米はブラジルを除き、全てスペイン語圏である。ブラジルはポルトガル語。東京弁と関西弁程度の違いである。
相手が何をしようとしているか読むという場合、相手の会話を聞くのが一番早い。他の日本人選手の誰一人、そういう風に相手の言葉に反応していない。だから、思考のスピードが遅れる。結果的にプレーで負ける。
ハリルホジッチ以来、デュエルという言葉だけが一人歩きしている感があるが、これは昔からあるサッカーの基本の「一対一」ということに過ぎない。
デュエルに勝つ=一対一で勝つ
ということである。
相手は相手の仲間の中で自分のプレーをしている。だから、見かけは一対一でも周りの仲間と会話しながらプレーする。
その会話を聞きながら対応してプレーするのと、それが全く理解できないでプレーするとのでは大違いである。
おそらく、冨安は相手が誰からボールを受けたがっているかわからなかっただろう。
しかし、久保だけは誰と誰が会話してパス交換をしようとしているか聞いていたはずである。
英語圏では英語。ドイツ語圏ではドイツ語。
なでしこジャパンは海外で弱い。それはやはり言語の問題である。
欧州と試合して勝つには、最低でもスペイン語と英語とドイツ語が理解できなければ、不可能だろう。
監督も隣に立っている相手の監督が何を話しているか分からないのでは不可能だ。相手の手の内が聞けない。
いい意味でのスパイが必要である。
日本の男子サッカーが最初どうして海外組に拘ったかというのもここにある。英語圏でプレーすれば、英語が身につく。ドイツ語圏でプレーすれば、ドイツ語が身につく。だから、英語が理解できる選手がいれば、イングランド戦は有利になるし、ドイツ語ができる奴がいれば、ドイツ戦では有利になる。
長谷部が有利だったのは、英語とドイツ語がある程度できたからである。
中田英寿もそうだ。イタリア語までできた。
ちなみに、欧州の選手たちは、数カ国語ができる。スペイン語、英語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語。これにロシア語まで出来れば最高だ。
こういう意味でいうと、準備ということの中に、言葉の準備も入るということである。
宇佐美のように、将来ドイツに行きたいというのに、日本人の嫁さんをもらってドイツ語もできずに通訳で済まそうというのは無理がある。
野球で野茂やイチローや大谷が成功できたのは、日本が世界ランク1位、2位の強豪国だからである。
しかし、サッカーはそうではない。
郷に入りては郷に従うほかはない。
(い)久保のトラップ率
もう一つは、いわゆる「ターン」=「前を向く」というサッカーの技術である。
中高生でも、ワンタッチターンというのを練習する。
つまり、後ろから来たパスをワンタッチでトラップしてボールコントロールして前を向く技術のことである。
今回のコパアメリカの日本代表の中で、最もそれができた選手が久保建英だった。
とまあ、そういうデータが出たという。これである。
久保建英の前方トラップ55%は異例数字/解析料理
<南米選手権(コパ・アメリカ):日本1-1エクアドル>◇1次リーグC組◇24日◇ベロオリゾンテ
久保が日本の攻撃をけん引した。エクアドル戦でフル出場し、シュートに結びついた「ラストパス」は両チーム最多の7本。日本の合計13本のうち1人で半分以上を占めた。複数回は久保だけで、国際Aマッチ初のフル出場だった17日のチリ戦の1本を大きく上回った(データスタジアム調べ)。
相手ゴールを常に意識してプレーしたことがうかがい知れた。味方のパスを「トラップ」した回数は計31回あったが、最初のトラップ後にボールがどの方向に移動したかを前後左右、4分割して見ると、前方が17回と全方向の55%を占めていた。相手のプレッシャーをより受けるトップ下の数字として異例。後方にトラップしたのは1回(3%)だけだった。チーム全選手のトラップ方向(後方が13%)と比較すると、その違いがよく分かる。
後半45分、中島の縦パスを巧みにトラップして前を向き、前田に絶妙のスルーパスを送った。久保は中島のパスを受ける前に周囲を確認し、次のプレーへ移りやすいようにボールを相手ゴール方向に動かした。その一連の動作は実にスムーズ。あとはFWが仕留めるだけだったのだが…。【石川秀和】
つまり、久保建英は味方の後ろからのパスを一瞬でトラップして前を見ているということになる。
そして、ラストパス=シュートいれてねパス、も一番多かった。
要するに、久保へパスを出せば、久保がワンタッチで前を見て、次の瞬間FWにラストパスをし、シュートまで行く。
後はシュートするやつの決定力次第ということになったわけだ。
ところが、上田、岡崎、前田、全然ゴールの枠内に蹴れなかった。
「コパ・アメリカの久保建英」超プレー集!久保建英は別格だった!HD 1080p
まあ、これも実は理由は俺は解明済みなんだが、日本代表のシュート練習を見てわかるように、シュート練習を小中高でじっくり時間をかけてやってこなかったツケを払っているわけである。
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【#西野J】センタリング→シュート練習!スーパーゴールを決めるのは?? #宇佐美貴史 #本田圭佑 #大島僚太 #daihyo #日本代表
(もっとシンプルなやつでも入らないからナア。監督の方がうまそうだ。)
バルセロナ、レアル・マドリードは、トップレベルでもシュート練習が練習時間の半分以上占めている。
レアルのえげつないシュート練習
レアルマドリード 試合前シュート練習
この事実をまだJリーガーが気づいていない。だから、サッカー練習というと、ドリブルかパス回しばかりしている。
フィニッシュはシュートである。
一方、シュートが入らなければお話にならないバスケでは、シュート練習が大半である。
ドリブルシュート、一対一シュート、二対一シュート、三人コンビネーションシュート、3ポイントシュート、。。。多くのバリエーションでシュート練習を行う。
フォーメーションのシュートもあるだろう。ダンクシュートもある。
同じタイプのスポーツでありながら、サッカーだけはシュート練習が相対的に少なくなった感がある。我々の時代はパス回しなんてなかったから、全てがシュート練習だけだった。
センタリングシュートのウィングプレーのみ。後はドリブルシュート。
例えば、こんな感じ。サッカー練習日誌
サッカーの質では今の選手に比べて劣っているだろうが、シュートの正確さと豪快さでは我々の時代の方が勝っていたと思う。
つまり、サッカーらしかった。
今の日本のサッカーはハンドボールやホッケーのような感じになった。
サッカーのサッカーらしいところは、ヘディングとロングシュートである。
足で蹴る方が手で投げるものよりより遠くへ蹴れる。頭を使うのはサッカーだけである。
つまり、サイドからロングのセンタリングがきて、それをヘディングで叩きつける。
これがサッカーしかできない豪快なプレーである。
今の日本サッカーにはこれがほとんどない。
何れにせよ、久保建英はポテンシャルが高い。どこへ行っても何をしても話題になるだろう。
これまでの日本のサッカー史の例外中の例外である。
新しい良いモデルになって欲しいものである。
頑張れ、久保建英!期待しているぞ!
いやはや、世の始まりですナ。

by kikidoblog2 | 2019-06-28 10:20 | サッカー日本代表