人気ブログランキング |

2019年 05月 12日 ( 2 )   

HAARPモニター観察:5月上旬の500nTの地震電磁波到来!   

みなさん、こんにちは。

さて、今月に入って結構太陽活動が活発になり、その影響もあってか、地震電磁波も結構活発になってきた感がある。再び300nT程度の地震電磁波が出ているので一応メモしておこう。


まずは宇宙天気ニュース。

宇宙天気ニュース

2019/ 5/12 09:31 更新
太陽風磁場の南向きの変化が続き、磁気圏の活動を高めています。

担当 篠原

昨日のニュースの後、
太陽風磁場の南北成分は再び南向きに大きく振れ、
-12nTに変化しました。
速度は350km/秒と低速の状態ですが、
磁気圏の活動は高まって、
昨夜、11日21時(世界時11日12時)には、
AE指数が1700nTに達する大規模な変化が発生しています。

その後も磁場の南向きの変化は続き、
AE指数も500~1000nTの中規模の変化が続いています。
a0348309_17575366.png


現在は、磁場強度は7nT、南北成分は -3nTとなっています。
磁場強度が下がってきて、
太陽風の変化は終わりに向かいそうです。


太陽は、X線グラフに変化はなく、穏やかな状態です。
右側の2740黒点群は、次第に小さくなっている様です。


放射線帯の高エネルギー電子が増加して、
10,000に近付いています。
明日は更に高まるでしょうか。



カナダモニター群
a0348309_21151568.png

a0348309_17581876.png


NOAAのモニター群
地磁気揺らぎ
a0348309_17583697.gif


X線揺らぎ
a0348309_17593050.gif

a0348309_17593234.gif


電子濃度
a0348309_175947100.gif



さて、GEONET 準リアルタイムGPS全電子数マップ
a0348309_184886.jpg


というわけで、九州沖縄地方が一応警戒の場所ということになる。

しかしながら、500nTと大きいから震度5〜6前後の可能性もある。

またカナダモニターの波形の位置からすれば、我が国ではない可能性がある。たぶん、パプアニューギニアとか台湾のものかも知れない。


要注意である。

まあ、外れるに越したことはない。



備えあれば憂いなし。



いやはや、世も末ですナ。


おまけ:
ここ3日間、宮崎と愛媛の間で3度大きな地震が来たようだ。どういうわけか、ここ阿南はまったく揺れなかった。
a0348309_18105680.png

a0348309_17182977.png
a0348309_17212753.png

いずれにせよ、このあたりも含めて日本全国要注意だろう。








e0171614_11282166.gif

by kikidoblog2 | 2019-05-12 18:08 | 地震・地震予知・噴火

数学者と理論物理学者:グロタンディークと佐藤と南部と小松彦三郎とヘヴィサイドとウィーナー!?   

みなさん、こんにちは。

さて、今回は数学者の話。あまり面白くないだろうから、普通の人はスルーでよろしくネ。

(あ)数学者と理論物理学者

最近良く思うことは、理論物理学者でおそらく数学の好きではない人はまずいないだろうということだ。が、これは物理学者の中でも特に数学的なことが得意だったり好きだから理論物理学者になったはずだからだが、おそらく彼らは数学者にも非常に関心を持っているのではなかろうか?

というのも、理論物理学者の中には、もうすこし数学的才能があれば絶対に自分が数学者になれた、あるいは、なりたかったという人がかなりいるからである。

一方、数学者には理数系は好きだが、物理が嫌いで、どうも馴染めなかったから数学者になったという人が結構いる。要するに、物理では実際的問題を扱うから、いわゆる「近似」を使うのである。この近似が、近似=いい加減と理解して、そこから物理より数学のほうが厳密なのだと錯覚して、数学分野に進むというものが多いということである。

かつて理論物理学者のレフ・ランダウが
「自分は人の論文の結論だけ読む。なぜなら、後は自分がやったほうがましだ。」
というようなことを言っていたが、数学者でも佐藤幹夫博士が
「数学辞典は非常に役立つ。というのは、定理がたくさんでているからだ。証明は自分でできる」
と言っていた。

まあ、こういう正真正銘の天才たちは論外として、普通は人のやったことをしっかり自分で読んで考えて、やり直してみて身につけるというものである。

朝永振一郎の時代では、「理論物理学者になりたければ、天才でないとだめだ」というご託宣があったらしい。同様に、「名を残す数学者でありたければ、天才ではないとだめだ」というのが数学の世界である。

だから、自分は数学者になりたかったが、それになれないから、理論物理学者で我慢した、そうせざるを得なかった。なぜなら、自分は新定理を証明することは不可能だからだ。そういう考え方がある。

ユタにいた頃、私の指導教官だった甲本真人先生とビル・サザーランド先生の横にYong-Shi Wu先生の研究室があった。だから、これら3人の顔を見に結構そのあたりをうろついたもんだったが、たまにWu先生から「君は最近何を研究しているんだ?」とか聞かれたことがあった。

そんなたわいない会話の最中で、Wu先生に
「数学は好きですか?いつも数学を勉強していますよね?」
というようなことを聞いたことがあった。すると、
「自分は数学は定理を使うだけだ。数学者の証明は信じる」
というような返事をもらったことがある。

難しい定理を全部証明まで理解しようとすれば、その数学分野の1冊2冊を読まなければならなくなり、その筋の専門家になる必要がある。そうなれば、時間がなくなってしまう。それよりは、数学者の証明は信じて結果だけを物理に使うんだ。とまあ、その時の私はそういうような意味だろうと受け取った。

数学者と理論物理学者の関係とはそんなものだろうか。

ところで、私はもともと理系でもなく、体育会系の野球部やサッカー部出身だから、こういった数学者とも理論物理学者ともまったく毛色の違う感性で理論物理や数学を見ているように思う。あまりかれらとはウマが合わない。あるいは、肌が合わないことを感じてきた。

強いていえば、スポーツのような数学であり、スポーツのような理論物理学という感じだろうか?技を磨いて、それぞれのポジションでいいプレーすれはそれで良い。とまあ、こういう感じの受け取り方に近い。が、うまく説明できない。別に天才ではなくても、適当にボールリフティングして楽しむように数理を愉しめば良い。それで結構だという感じかナ。歴史的プレーは偶発的に生まれることがあるように、凡才や鈍才でも運が良ければ天才のような研究をすることだって可能だという感じ。まあ、数学や科学の世界はそれほど甘くはないがネ。

(い)佐藤幹夫と南部陽一郎

さて、アマゾンでやすいのが出るかとさんざん待ったがどうやら出てきそうもないので、今日さっき本屋に行って、「佐藤幹夫の数学」という本を注文してきたのである。これである。


佐藤幹夫の数学 増補版 単行本 – 2014/9/17
a0348309_14202177.png


この本は県立図書館で借りてここ最近少しずつ目を通しているんだが、実に興味深い。

というのも、編者が木村達雄博士だからである。

実はこの木村達雄博士は、保江邦夫博士の合気道の先輩でそもそも保江先生が合気道の世界へ入るきっかけとなった恩人の一人であるようだ。そして、かのエジプトのピラミッドの王の間で「ハトホルの秘技」を行うために出向いた時、同行者の一団のリーダーがこの木村達雄博士だった。

保江先生の本でその時の写真を見た私の記憶では、アリキリのアリさんそっくりだというのが私の受けた印象だった。

その木村博士は20世紀を代表する日本の数学者になった佐藤幹夫博士の一番弟子であるということをこれも保江邦夫先生の著書から読んで知っていたので、いつかこの佐藤幹夫と木村達雄の関係がどういうものなのかを知りたいと思っていたわけだ。

そしてたまたま最近県立図書館に行った時、めったにいかないのだが、たまたま数学の棚で他の本を探している時に見つけたのだった。

この本を読んだ印象では、この本や佐藤幹夫さんの他のお弟子さんや影響を受けた人達からすれば、

佐藤幹夫とアレクサンドル・グロタンディークは似ている!

ということになる。なっている。

というのも、ふたりとも生まれも1928年でいっしょ。同時代人で、同じような思想を独立に生み出した。2人ともジェネラルナンセンスを大量に生み出した稀有の天才であった。しかしながら、見た目は全く異なる。方やつるっぱげ、かたや髪の毛ふさふさ。

しかし、私の個人的観点からすると、佐藤幹夫先生がユダヤ系フランス人のグロタンディークに似ているというよりは、むしろ素粒子論の南部陽一郎博士に似ているような気がする。

戦中戦後の大貧困の時代を生き抜いて、あるきっかけを経て研究者の道に入り、それから徐々に才能を表し、いつしかその道の歴史そのものになっていった。この意味では、グロタンディークはちょっと違う気がする。レジェンドではあるが、その全てが理解され尽くしていないからである。

だから、私は

佐藤幹夫と南部陽一郎は似ている!

というだろう。

実際、これもちょっと前まで読んでいた南部陽一郎博士の「素粒子論の発展」
a0348309_14365910.png

という本とこの「佐藤幹夫の数学」という本は、作り方も雰囲気も非常に似ていると感じるわけである。

職場を転々とした感じも似ているし、周りの多くの偉い学者の中で切磋琢磨されていった感じも似ている。そして弟子や理解者に囲まれて幸せな研究者人生を得た感じも似ている。この点では、孤高の人だった隠遁者グロタンディークはちょっと違う。

むしろ隠遁者的という意味では、グロタンディークは私のほうに近い。まあ、比較しようのない歴史的レジェンドだから、こういう書き方は誤解を招きかねないがネ。


(う)佐藤幹夫の考究録

私はたしか大学院受験する際だったか、だから理科大理工時代の1970年代後半に、当時すでに京都大学に佐藤幹夫博士というすごい人がいるということは知っていたから、その当時の有名な研究をもらおうと思って、はがきか手紙を出した記憶がある。

結果は、梨の礫で結局その論文はもらえず。しかも京大大学院は失敗し、その前に合格した阪大基礎工に進学したわけだ。だから、その論文はずっとあとまで読むことも目にすることもなかった。すっかり忘れたわけだ。ひょっとしたら、アメリカに留学する頃だったかも知れない。

ところが、どうやらインターネットの時代になって、やっとそれがだれにも手に入れられる時代になっていた。この意味では、今の若者は幸せものだ。これである。
佐藤幹夫講義録 (1984年度・1985年度1学期)

もしその時その論文をもらっていたら、私はどうしただろうか?数学者になろうとしたか、あるいは、天才じゃないから絶望し、別の道を目指しただろうか?

実は私は数学者の雪江昭彦博士と同じ甲府南高校の同級生である。彼は高校時代にすでに高木貞治の本を勉強し、大学生の数学を勉強しているという噂があり、サッカー三昧の私は「すごいな」という印象しかなかった。

しかし、たまたま私の母が若い頃東京の洋裁学校に行っていたらしく非常に洋服好きで、彼の家が洋品店で、その洋品店を非常に好んで買い物をしていたようだった。だから、時々雪江洋品店の話が出てきたのである。だから、彼は私をあまり意識せず知らなかっただろうが、私は雪江という名前は洋品店の名前として覚えていたのである。

その彼が東大に入ったことを知り、その後、京大の広中平祐博士がフィールズ賞を受賞し、その勢いで広中基金で優秀な若者を広中先生が研究した米ハーバード大の大学院に送るというプログラムを作ったが、その最初の1号に雪江が選ばれて、ハーバードへ行ったという話は知っていたのである。

その後、彼は、オクラホマ大(?)に渡り、その後、帰国し東北大に勤務し、そして京都大の教授となったようだ。

私はちょうどその彼のオクラホマ大あたりの頃ユタ大に留学し、物理を一から勉強し直していたわけだ。

その彼の専門が、「概均質ベクトル空間論」というものだったが、その創始者が佐藤幹夫博士だったので、そのテーマを名前だけは覚えていたわけだ。

それが、ずっとたって保江邦夫先生の兄弟子にあたる木村達雄博士の研究分野がまさにこの「概均質ベクトル空間論」というのだということを知り、そしてその木村達夫博士が佐藤スクールの一番弟子の一人だから、そしてその「佐藤幹夫の数学」の編者というわけだ。これを買わないはずがない。

とまあ、そういう事情でこの本をどうしても読んでみようということになったわけである。


(え)数学の天才は養成できるか?

ところで、佐藤幹夫博士の本を読んでいるうちに、偶然こんなものも見つけた。

数学の天才は養成できるか 飯高茂
佐藤幹夫氏の文化功労者顕彰 柏原 正樹, 河合 隆裕

飯高茂博士はフィールズ賞クラスの代数幾何の専門家、柏原正樹博士は昨年フィールズ賞の特別賞を授与されたばかりである。

この飯高博士の論説にかなり興味深い事が書かれていた。

まず最初の方にグロタンディークのやり方があった。これである。

「数学の問題に対して可能な限り一般化して考え、充分な一般化が成就すれば問題自身が自然に解けるのだと言った。もし解けなければ、一般化がまだ足りない」

私の知る限りでは、これとまったく同じことを岡潔が言っていたと思う。

広中平祐博士はハーバードに留学し、グロタンディークの弟子になる。そのハーバードへ留学する前の日本の数学会で、留学後にやろうと思っていた自分の数学の研究プログラムを講演したわけだ。

すると、その聴衆にまぎれていた岡潔が立ってコメントを行った。

君は研究テーマを小粒に分解し簡略化していけば問題が解けると思っているようだが、それは逆だ。むしろ問題はもっともっと抽象化し一般化したほうが簡単になるのだ

とまあ、こんな趣旨のことを話したのである。そして、ハーバードへ留学し何年かのちに「広中の電話帳」と呼ばれる大論文を生み出し、フィールズ賞に輝いたのだった。そのやり方は問題の次元を上げて問題をもっと一般的に定式化し直して解けたのである。

はたして、グロタンディークはだれからその考え方を知ったのか?広中を通じて、岡の考え方が伝播したのだろうか?

ところで、その飯高先生の結論も興味深い。

結局、天才は養成できないのである。

天才は突然生まれる!

のである。ただしいくつかの要因ないしは触媒はある。

(1)既成の教育は必ずしも必要ない。
(2)良き師や良き仲間に恵まれること。めぐりあうこと。
(3)運がよいこと。
(4)伝記や啓蒙書から刺激を受けたこと。


飯高先生はこれに付け加えて、

(5)懐の深い教育。
(6)静かな研究環境。


とした。

しかしながら、グロタンディークは両親はアウシュヴィッツ、自分は幼少期を修道院で生活したし、佐藤幹夫は貧困家庭でしかも東京大空襲の中で過ごし、南部陽一郎は空襲を避けて田舎に疎開していた。

だから、(5)と(6)は彼らには無関係に見える。三人英才教育を受けていない。その暇がなかった。

むしろ、血筋、つまり、DNAが大事だろう。朝永振一郎も湯川秀樹も侍の子孫である。武家の子供であった。佐藤家もきっとそうだったのではないか?

この意味では、やはり先祖代々の血筋もかなりの大事な要素だろう。

(7)血筋。

家系の中で一人だけ天才で、他の家族や親族の誰からも相手にされなかったり、話ができない、通じない、というのは結構つらいものがある。学者の子は学者。医者の子は医者。音楽家の子は音楽家。胎教の原理から言ってもそういう方が理にかなう。

(お)ヘヴィサイドとテスラと小松彦三郎

さて、長くなったので、この節で終わりにしたいが、佐藤幹夫の数学で知った名前に小松彦三郎博士
a0348309_15362562.jpg
がある。

私はまったく知らなかったが、どうやら英仏語に堪能な小松博士のおかげで、佐藤幹夫博士があまり英語論文を書かなかったにもかかわらず、欧米で一大ヒーローとなったようだ。佐藤幹夫の数学に惹かれた小松彦三郎博士が欧米にいって、それを欧米の数学者に伝達したからである。

この事実を初めて知ることができたのである。

さもなくば、杉田元宜博士のように、歴史の闇に埋もれるはずだった。英語で論文書かずに、自分の名前が残るはずもないし、欧米人からヒーロー扱いされるはずもない。

この意味では、やはり佐藤幹夫博士は運が良かったし、仲間に恵まれたんだと思う。

ところで、その小松彦三郎博士の論文を探していくうちに、実に興味深いことがわかった。

この小松博士はヘヴィサイドの数学に造詣が深かったのである。つまり、ヘヴィサイドの数学のマジック=演算子法、がなぜうまくいくのか?について研究していたのである。

実は、いまでは、佐藤=柏原のD加群として知られるやり方は、その萌芽は、ヘヴィサイドの演算子法やその前のリーマンの分数微積分にあったのである。

これを手短に説明した解説がこれだった。

Heaviside の数学 小松 彦三郎

そして、√(d/dt)とか、こういう奇妙キテレツな演算子を定義するには、「概均質ベクトル空間」のような入れ物が必要になる、という感じだろうか。

そんな小松博士こんな論文も書いていたが、これは今の所手に入らない。

ヘヴィサイドとテスラ 小松彦三郎 学士会会報 (815), 50, 1997

おそらく、これは東大の学士会報だから、東大卒でないと読めないのかな?


(か)ウィーナーと超関数

ところで、ヘヴィサイドまでは小松先生の話で演算子法とか超関数であるデルタ関数とか出てきたが、実はヘヴィサイド以後では、そのヘヴィサイドを心の師と仰いでいたのがノーバート・ウィーナーだった。

彼はヘヴィサイドの伝記まで書いたほどである。あまりに痛烈で未公表らしいが。

そのウィーナーの初期の数学に一般フーリエ解析や調和解析の論文や本があるのだが、この中に、デルタ関数と見えないがδ関数や、超関数にみえないが佐藤超函数(hyperfunction)の萌芽があるのである。

Generalized harmonic analysis (1930)

「Schusterの理論」として、佐藤超関数と実質的に同じものが佐藤より数十年早く行われているのである。

その証拠がこれだ。

a0348309_1554879.jpg


たいていは本の帯に隠れて見えないが、この表紙の下にある数式。この定理こそ、佐藤超函数そのものではないか?と私は思う。

この式はウィーナーの若かりし日の代表作であり、上の論文の式(5.53)がそれである。

というわけで、δ関数とも超関数とも名付けていないが、ウィーナーはそういうものを頻繁に使って研究していたのである。


(き)やはりそれで食えないと天才は育たない。

結局、飯高先生の分析でも盲点になっているのは、「天才はその天才で飯が食える」という面である。やはり最低限、その才能を使って食っていかねばならない。

南部陽一郎もシカゴで飯にありつけた。佐藤幹夫も東大京大で食っていけた。もしずっと高校教師だったら天才も萎んだのではないか?

自分の給料で家一軒くらい買える程度の給料がなければ、天才は天才になれないと俺は思う。

大学の人=大学に職のある人は、たいていそれが自然すぎるから、そういうのが前提に捉えるが、一般に見れば、それは前提ではない。むしろ、そういう最低限の前提条件が適ってからの話になる。

保江邦夫の場合も、運良くスイスの大学の助手になれたからこそ今がある。

問題は、そういう大前提である職を得るという部分だが、ここに本当の才能開花の秘訣があると思う。

それは、「人柄が良い」ということだろう。あるいは、「人に好かれる」あるいは「人から愛されるタイプ」と言いかえることもできる。

私の見た限りでは、南部陽一郎も佐藤幹夫も保江邦夫も、みな共通して人前でははにかみ屋のおとなしい性格だろうと思う。だから、目上のものから可愛がられる傾向がある。上から煙たがれたら見放されるが、可愛がられるタイプは職を得やすい。

サッカー選手でも、実力を発揮する前に言いたいことだけ言う選手は監督から嫌われて二度と使ってもらえない、ことがしばしばある。誰もが認める選手にすでになっていれば話は別だが、いくら本来の実力があっても、口だけの選手と見られたらそれで運命は止まる。

中田英寿はその点ではおとなしかったと思う。だから、上から好かれてチャンスをもらったのである。

上から好かれるということは、その時その場にどんな目上の者がいるかに依存する。それこそ運不運である。ハリルホジッチがいたら、デュエルのできないやつは弾かれる。森保なら、いまの目先のデュエルより将来性となる。

結局は、神のみぞ知る。運次第ということになる。

だからこそ、才能ではいくらでも佐藤やグロタンディークやアインシュタインのような人物がいるのだが、それを発揮するまでもなく終わってしまうのである。

したがって、天才はなかなか登場できないのである。

サーフィンでも大きな波はたまにしかこない。そのビッグウェーブが来てもそれに乗れるのはたまにしか現れない。大半は溺死する。

おれもどちらかと言えば、溺死した方だな。



いやはや、世も末ですナ。


おまけ:
ついでにこれもメモしておこう。
{聞く}京都賞インタビュー

◆数学 探究を続け半世紀 

 ◇柏原正樹氏 京都大数理解析研究所特任教授 

a0348309_12431234.png


 国際数学連合が4年に1度、群を抜く業績を上げた数学者をたたえる「チャーン賞」に今夏、日本人で初めて選ばれた。数学者の道を進んで節目の半世紀を迎えた年、国際的な賞を続けて受賞した。「受賞講演会で、一般の方に自分の研究を理解してもらうのに大変苦労した」と笑う。

 東京大4年だった1968年、イスラエルのノーベル賞といわれるウルフ賞に輝いた世界的な数学者、佐藤幹夫・京大名誉教授(90)のセミナーに参加した。

 「高校まで数学は覚えるものだったが、新しいものを作るという佐藤先生の独創性にひかれて数学者を目指した。佐藤先生に受賞を伝えられてよかった」

 数学は、数字の代わりにxなどの文字を使って数の性質を探る「代数」や、図形や空間を扱う「幾何」、微分積分などの関数を研究する「解析」の3分野に大きく分かれる。

 「一度集中すると、何時間でもほかのことが目に入らなくなる。わからなかったことが自分で理解できることが一番面白い」

 並外れた探究心を武器に70年代、解析の手法を用いて、代数と幾何を結びつける「D加群」と呼ばれる理論を作り上げた。

 3分野を融合した画期的な理論は数学界で脚光を浴びた。それまで謎だった数学の難問を次々と解き明かして現代数学の一つの潮流を作り、将来は物理学などへの応用も期待される。

 数学者はひとりで思索することが多いが、約40人の研究者と共同で論文を書いてきた。
大きな壁にぶつかっても、共同研究者が別の見方を教えてくれた。恩師や周りの人たちに恵まれた」。
落ち着いた京都の街を散策しながら解法がひらめくこともあったという。

 研究意欲は衰えず、積み残していたD加群の課題に数年前、解決の糸口を見つけた。
昔ほど集中力が続かないが、なんとか完成させたい。若い人は大きな問題にチャレンジできる可能性がある。ぜひ挑戦してほしい」。
後進への期待も膨らませる。(冬木晶)

a0348309_124395.png
(この顔には馴染みがあるナア。)
やっぱり数学でも一人では何もできない。グループで護送船団方式で戦う形の方が遥かに有利であろうナア。文部省や文科省に後ろ盾がいる方がいないよりずっと強い。数学研究も所詮は人のやること。金がすべてであろう。その点、俺はファラデー、マックスウェル、ヘルツ、テスラ、ヘヴィサイド、スタインメッツ、ウィーナーとか、グロタンディークとかの方が好きだな。




e0171614_11282166.gif

by kikidoblog2 | 2019-05-12 16:47 | 普通のサイエンス